2020年10月7日、株式会社ジールにて、『【ウェブセミナー】データ活用が驚くほど簡単に!!インサイト型BIツールで業務部門(営業、商品、財務、購買等)のデータ活用を促進』が開催されました。その内容をレポートします。
講師紹介
ソートスポット合同会社 赤栗 雅史 氏
株式会社ジール 岡本 真一 氏
はじめに
データを活用する製品は、世の中にたくさんありますが、どの製品も使いこなすまでトレーニングを受講したり、外部ベンダーに委託しているケースが少なくありません。またその部分が導入の課題だと考えておられる方も多いのではないでしょうか。本セミナーで紹介される製品 ThoughtSpot は、使いやすいだけでなく、AIの機能で分析をサポートしてくれるデータ活用製品です。
目次
1.いままでの分析を振り返る
最初は、Excel だった
データを分析するときに最初に利用される製品は、Excelでした。その前は、Lotus 1-2-3 というソフトウェアが主流でした。この頃は企業のデータというのもは、基幹システムの整備やデータベースなどの整備が追いついておらず、紙文化が主流でした。データも手入力で作成したExcelしかなかった時代です。表形式で表現するには、Excelが1番良いツールでした。しかし、分析に利用するには難しく、この時代は、よくKKD(勘・経験・度胸)と言われてました。数字を見て判断するというより勘と経験と度胸で決める、というケースが多かった時代だったと思います。
エンタープライズBI
次にエンタープライズBIの時代が来ます。この時代はさまざまな企業システムが乱立し始め、データベースもシステムごとに構築される時代になり、基幹システムの構築と一緒に業務レポートをBI製品で構築する時代になりました。構築方法はウォーターフォール方式で設計されるケースが多く、完成するまでに何年もかかるようなこともありました。製品自体も、とても高価でした。この時代には、DWHとサーバーが一体化した、分析が高速にできるアプライアンスサーバーも登場してきました。例えばOracle Exadata やIBM PureData に代表される製品です。
セルフサービスBI
このエンタープライズBIの取り回しの悪さを解決しようとして出てきたのが、セルフサービスBIです。何百、何千のユーザーが利用するのではなく、一部の専門のアナリストがさまざまな企業内データを短期間でデータ準備から分析を行える製品です。これは、アナリストに対しては非常に素晴らしい製品ですが、エンタープライズとは異なり自由な製品のため、作った分析結果も散在してしまったり、管理が不十分になったり、取り回しがいい分、難しい部分もありました。また、データベースの知識やSQLの知識、そして分析のスキルやAIのアルゴリズムなどを理解していないと使いこなせないというところもあり、ハードルが高いものになっています。
本来はエンタープライズBIの管理性の良さとセルフサービスBIの使い勝手の良さの両方を備えているものがあれば、良いのかもしれません。
2.拡張分析ってご存知ですか?
拡張分析という言葉をご存知でしょうか?この言葉自体は2018年くらいからガートナーが提唱しています。今までのBI製品は、いろいろなグラフを使って、アナリストが綺麗に構築してきました。この仕組みには決定的な欠点があります。それは開発にかかる工数です。こういう分析がしたいというニーズに合わせて、分析スキル、開発スキル、社内システムを熟知している担当者や協力ベンダーが何日もかけて開発し、利用者に届けるといった流れでした。ビジネスインパクトにおけるスピード感が出ないという課題がありました。完成した頃にはお願いしたことも忘れるぐらい前で、もう要らなくなってしまうという話もありました。今年の3月、4月くらいから始まったコロナウイルスの出現によるワークスタイルの急速な変化やいつ何が起こるかわからない世の中では、今までのビジネスツールは時代にマッチしなくなっているのではないでしょうか。これらのことを製品側でやってしまおうというのが拡張分析です。
DataRobot の シニアディレクター アンダーウッド氏は、「拡張分析は、専門家しかできなかった分野に取り込まれることによって、非専門家である利用者のすべてがアナリストになれる時代が来る」と予測しているそうです。本当に実現すれば分析の結果をアナリストにお願いして何日も待つ、ということもなくなり誰もがデータに対して正面からぶつかって分析し、結果から何かを予測するような日も遠くないと考えています。
この後ご紹介しますThoughtSpot には、拡張分析の機能をいくつか備えておりますので、ご紹介していきます。
3.これまでの BI と ThoughtSpot との違いは?
データ活用に至るまでのセオリーを4つの段階に整理して、従来型BIとThoughtSpot の違いをご説明していきます。
4.ThoughtSpot デモ、事例紹介
キーワード検索
データベースの構造化データやExcel、CSV形式 になっている半構造化データをThoughtSpot に取り込むことによって、様々な情報を普段業務で利用している言葉のままキーワードとして検索バーに入力するだけで瞬時に検索でき結果も最適なグラフとしてリコメンドしてくれます、まるでGoogle 検索をするような感覚でエンドユーザー自らがレポート作成や分析を可能にしてくれます。
例えば、「売上」、「カテゴリー」のような項目を入力すると、ThoughtSpotが自動的にグラフを生成してくれます。これまでのBI製品のようにX軸に「売上」を選んで、Y軸に「カテゴリー」を選んでグラフを作っていくというものではなく、直感的にこの検索バーでキーワードを並べていくだけで一通りのことが完結できます。表示するグラフもワンクリックで様々な形式に変更できますし、細かい設定も必要ありませんので、簡単に欲しい情報を得ることができます。
また、値のフィルターもこの検索バーからできるようになっています。例えば「近畿」という値でフィルターをかける場合、ThoughtSpotは、「近畿」という値がどういう項目にあるのか見つけてくれます。「近畿」には、店舗地域と顧客地域の2つが存在している場合、顧客地域を選択すると顧客地域別のグラフが生成されます。完全に一致する項目を覚えていなくても、部分一致したものをサジェストしてくれますので、Googleの検索のサジェストと同じイメージでフィルターを簡単に設定できるようになっています。
自由ドリルダウン
ThoughtSpot のドリルダウンは、グラフを自動生成する仕組みがあります。選択した軸を何段階もドリルダウンしていくことができます。明細のデータをいれておけば、何段階も深堀していくことができます。
例えば、商品の担当者であれば商品の軸でドリルダウンをして、商品の詳細を確認したり、リストをダウンロードすることができます。
AIによるインサイト
自動で出てくる簡易的なインサイトが、この検索結果の下の部分にも出ています。
これは、Amazonで検索した時にレコメンデーションとして表示されるようなイメージのもので、検索結果にかかわる異常値についてThoughtSpotが自動で探して見つけてくれる機能です。データ分析のスキルを持った人向けというよりは、データの扱いに慣れていないような現場の方々が、気になるポイントを見つけるきっかけにしていただくような仕組みです。
検索した時に異常値や相関関係、傾向などを教えてくれる機能です。
SpotIQ
SpotIQというAIの機能をご紹介します。気になるポイントをチェックすると自動で比較し、傾向や異常値を探索してくれます。例えば、12月の売上が11月と比べてなぜ高かったのか?ということを調べさせると店舗別、地域別などいろいろな角度からどのような上昇傾向があるのかということをインサイトとして見つけてレポートしてくれる機能になります。
これまでのBI製品のように、固定のダッシュボードを参照するだけの製品ではなく、見て気になったポイントをThoughtSpot上で、どんどん深掘りしていったり、自分で検索して使っていく製品です。
ThoughtSpot のアーキテクチャー
ThoughtSpot は、クラウドまたはオンプレでサーバーを用意していただきインストールしていただきます。
データの持ち方としてFalcon とEmbraceという2種類があります。
Falcon:ThoughtSpotが持っているデータベースに連携
Embrace:外部のデータベースに連携
ThoughtSpot の事例紹介
・ウォルマート (小売業)
マーチャンダイジングの担当者とEコマースの担当者が商品単位の分析に利用。製品の傾向や異常値を確認し、キャンペーンの立案、効果検証に利用。現在では、財務・経理部門でデータに基づく計画立案、コスト削減の分析、人事部では10万人を超える従業員の人材分析にも利用しています。
・京セラ(製造業) <ThoughtSpot社 事例からの引用>
アメーバ経営の強化のためThoughtSpotを採用。
約3,000ある事業領域を横断した経営データ(受注、売上、在庫など)の分析を実現し、ユーザー部門によるデータ分析の推進のため、ThoughtSpotを導入しています。
詳細はこちらです。
まとめ
ThoughtSpot製品の事例を交えて紹介でしたが、いかがだったでしょうか。
この製品は、セルフサービスBIでもありますが、さらに拡張分析、AIの機能が備わった、ユーザーが分析しやすい新しい製品です。
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