公開日:2024年12月6日

更新日:2024年12月6日

ディープラーニングは機械学習の1つであり、高度な予測や認識を実現する手法です。この記事では、ディープラーニングと機械学習の違いや仕組み、ディープラーニングをビジネスに導入する方法などを解説します。自動運転や画像認識、医療研究など、ディープラーニングが活用されている実例も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

ディープラーニングとは

ディープラーニングはAI技術の中の機械学習技術の一つです。人間が行うタスクをコンピューターに学習させることで、大量のデータを解析してデータの特徴を抽出します。

ディープラーニングは、分析精度が高いのが特徴です。また、入力層と出力層の間に中間層を設け、さらに中間層を多層化して学習を行うことで、より複雑なパターンや特徴を学習することが可能です。

ディープラーニングは画像認識や音声認識などの分野で大きな成果を上げており、その応用範囲は広がり続けています。

ディープラーニングが注目されるようになった背景

ディープラーニングが注目されるようになった背景は、いくつかあります。まず、ディープラーニングが理論的に登場したのは1980年のことですが、注目を浴びるようになったのは、2012年に行われた画像認識の精度を競う「ILSVRC」というコンテストがきっかけでした。
トロント大学のヒントン教授らがディープラーニングを用いたシステムで圧勝し、脚光を浴びました。

さらに、GPUとの組み合わせにより、学習時間が大幅に短縮されます。これによって、大量のデータを扱うことが可能になりました。そして2016年には、ディープラーニングが囲碁のチャンピオンに勝利するなど、驚異的な成果を見せるようになりました。

ディープラーニングと機械学習・人工知能(AI)の違いとは?

ディープラーニング、機械学習、人工知能(AI)は密接に関連していますが、それぞれに違いがあります。

AIは、コンピューターが人間のような知的作業を行う技術全体を指し、機械学習はその一部で、データから学習する能力をコンピューターに与える技術です。

ディープラーニングは、機械学習の一種です。ディープニューラルネットワーク(DNN)を使った学習で十分なデータ量があればデータから自動で特徴を抽出できます。一方、機械学習ではこれらのプロセスを手動で行います。ディープラーニングと機械学習は適切な使い分けが重要です。

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ディープラーニングの仕組み

ディープラーニングは、ニューラルネットワークを用いた構造になっています。

入力したデータは最初の層に与えられ、各層でデータの優先度が定量評価され、活性化関数を通じて出力データを求めます。出力されたデータは次の層に入力されて、同じような処理が繰り返されます。

多層のニューラルネットワークがあることで、より高度な特徴を抽出でき、目的のデータを出力できます。ディープラーニングは、人間の脳のような働き方をしており、複雑な問題解決や予測を実現してくれます。

ディープラーニングのアルゴリズムの種類

ディープラーニングは、ディープニューラルネットワーク(DNN)を用いた学習のことですが、ディープラーニングに用いるアルゴリズムはDNNだけではありません。

ディープラーニングを導入する際は、自社の目的に応じたアルゴリズムを選択する必要があります。

畳み込みニューラルネットワーク(CNN)

畳み込みニューラルネットワーク(CNN)とは、「畳み込み」という操作を加えたニューラルネットワーク構造のことを指します。主に画像認識に適しており、無人レジの画像認識や医療の画像診断など、さまざまな場面で活用されています。

CNNでは、画像の特徴を抽出するために畳み込み層とプーリング層を使い、その後に活性化関数での分類や予測を行います。このプロセスにより、画像内のパターンや構造を理解し、高度な精度で画像を解析することが可能です。

再帰型ニューラルネットワーク(RNN)

再帰型ニューラルネットワーク(RNN)は、時系列の情報を扱うことに適しています。前後の情報を関連付けて捉えられるため、例えば、文章の中の単語の順序や音声データの時間的なパターンなどを学習して違和感なく自然に言語処理を行えます。そのため、現代では、機械翻訳や未来予想の分野で広く活用されています。

RNNは「時間の流れ」を理解するアルゴリズムといえるでしょう。

敵対的生成ネットワーク(GAN)

敵対的生成ネットワーク(GAN)は、実在しない画像や動画の生成において活躍しているアルゴリズムです。GANは、「生成器」と「識別器」の2つのネットワークから成り立っており、双方が競い合うことで機能します。

例えば、画像生成の場合、生成器で実在しない本物そっくりの画像を生成し、識別器は生成器が生成した画像が本物かどうかを識別します。「生成器」と「識別器」の競争を繰り返すことで、本物そっくりの画像が生成されるのです。

ディープラーニングの実用例

ディープラーニングの実用例は多岐にわたります。以下では、その一部をご紹介します。

自動運転

自動運転は、ディープラーニングの実用例の1つです。ディープラーニングを活用すると、車両の速度や方向、一時停止や信号機の認識が行えます。さらに、道路上の状況を正確に把握することで安全に運転することも可能です。ディープラーニングによって、車は人間と同じくらいの判断力を持つようになり、より安全な運転が実現しました。

顔認証

顔認証システムは、画像認識を利用して顔を認識し、登録された顔との一致を判断するシステムです。カメラやスマートフォンなどで撮影された顔画像を使い、個人の特徴を抽出して識別します。顔認証システムは、入退室管理を自動化し、人件費を削減し、不正利用を防止することにも役立つことから、空港の入国ゲートでは、入国審査の簡素化に活躍しています。

画像検索

今では一般の人にも身近な存在となった画像検索にも、ディープラーニングが活用されています。例えば、通販サイトなどで商品の画像をアップロードして、類似商品を自動的に見つけてくれる機能は、ディープラーニングが数多くの画像データを学習し、画像の特徴を抽出して類似性を判断することで実現されています。

医療研究

ディープラーニングは医療研究でも重要な役割を果たしています。例えば、微細ながん細胞など、人間の目では見逃す可能性があるものも、ディープラーニングと高精度な顕微鏡を組み合わせて活用すれば自動で確実に検出できるようになります。医療研究におけるディープラーニングの進展は、病気の早期発見、早期治療に貢献するでしょう。

経済予測

ディープラーニングは経済予測にも応用されています。株価の相場を過去のデータから学習することで、将来の値動きを予測することが可能です。ディープラーニングの精度の高い予測に基づいた投資をすることで、株取引の知識が疎い人でも、より高い利回りを期待できるとされています。

ディープラーニングを活用・導入するための準備

ディープラーニングを活用・導入するには、いくつかの準備が必要です。しっかり準備しておくことでディープラーニングの活用がスムーズに行えます。

ディープラーニングの知識を身に着ける

ディープラーニングを活用・導入する前に、基本的な知識を身につける必要があります。ディープラーニングの概要や運用方法を理解しないと、自社のニーズに合った判断ができません。また、ディープラーニングによって具体的に何ができるのかを理解するのも重要です。ディープラーニングの知識を身に着けることで、効果的な活用・導入につなげることができます。

導入の目的を明確にする

ディープラーニングを活用・導入するにあたって、ディープラーニング導入の目的を明確にしておく必要もあります。目的を具体的に設定すると、どのようなデータやアルゴリズムを使用するかが決められます。

また、導入にかかる費用対効果も考慮しておきましょう。目的を明確にすることで、効果的なディープラーニングの活用・導入が可能になります。

目的に合ったアルゴリズムを選ぶ

ディープラーニングを活用・導入する際には、自社の目的に合ったアルゴリズムを選ぶことが大切です。複数のアルゴリズムの中から最適なものを選ぶには、それぞれのアルゴリズムが得意とする分野や特性を理解する必要があります。アルゴリズムの選択は、ディープラーニングの活用・導入の成果に大きく影響を与えるため、慎重に行いましょう。

ディープラーニングの技術を基盤にコンテンツを生成する「生成AI」を活用したジールのサービス

当社ジールでは、長年培ってきたノウハウを結集して、ディープラーニングの技術を基盤に、学習したデータを元に新しいコンテンツを生成する技術である「生成AI」を活用したさまざまなサービスを提供しています。ここではその一例をご紹介します。

「Google Cloud 生成AIソリューション」

ジールでは、Google Cloud の生成AI製品とBigQueryなどのデータ基盤ソリューションを組み合わせた独自のソリューションとして「Google Cloud 生成AIソリューション」をご提供しています。

おもに、以下の課題をお持ちの方に最適なソリューション・サービスです。

  • マーケティング施策の効率化・意思決定にGoogle Cloud 生成AIを活用したい
  • 自社のデータ分析・データ管理にGoogle Cloud 生成AIを活用したい
  • バックオフィスにGoogle Cloud 生成AIを活用したい

データ活用領域の豊富な支援実績をもとに、業種・部署ごとの最適なご提案をいたします。無料相談にも対応していますので、活用を検討している方はお気軽にお問い合わせください。

ジールの「Google Cloud 生成AIソリューション」

「RAG構築ソリューション(生成AI・マルチクラウド対応)サービス」

「RAG構築ソリューション(生成AI・マルチクラウド対応)サービス」は、以下のような課題をお持ちの方に最適なソリューション・サービスです。

  • どのLLMを利用したら良いか分からない
  • 複数のAIサービスを同時に活用したい
  • 自社固有の情報を回答するAIを作りたい

既存のRAGシステムとの連携も可能なため、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

ジールの「RAG構築ソリューション(生成AI・マルチクラウド対応)サービス」

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ディープラーニングの活用で、ビジネスの可能性を広げましょう

この記事では、ディープラーニングと機械学習の違いや仕組み、そして実用例を解説しました。ディープラーニングは、高度な予測や認識を可能にする技術です。

株式会社ジールは、BI領域で30年以上業界をリードしてきた豊富な経験と専門知識によって、お客様のニーズに合わせた最適なプランを提案し、ビジネスの成果を最大化します。近年さらなる発展をとげるAI領域も強みとしているため、ディープラーニングを活用したサービスの導入なら、ぜひジールにご相談ください。

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