2024 年 6 月 20 日(木)、21日(金)に幕張メッセで「AWS Summit Japan」が開催され、ジールはBRONZEスポンサー企業として参加しました。「AWSデータ分析基盤&オブザーバビリティ」と題し、日本通運株式会社の提供する CO2排出量可視化ツール「エコトランス・ナビ」のデータ基盤とダッシュボードをAmazon QuitckSight、Amazon Redshift、AWS Glueを利用したユースケースとしてご紹介しています。また、展示ブースではクラウド高度運用のためのオブザーバビリティのユースケースとデモをご紹介しました。今回も突撃隊長ウエムラ自ら潜入し、レポートさせていただきました。本記事は、前編後編のうちの後編になります。
目次
※なお、レポートは前編後編と別れており、こちらは後編になります。
前編はこちら
日本通運様突撃取材
今回、Amazon QuickSightを導入いただき本イベントにてジールの事例にご協力くださった日本通運の助田様にお話を伺いました。
助田英明様(写真左)
日本通運株式会社
IT推進部課長
清水岬様(写真右)
NX情報システム株式会社
第3アプリケーションマネジメント部
上村:早速ではございますが、日本通運株式会社様がAmazon QuickSightを導入された背景を教えていただけますでしょうか。
助田様:弊社は総合物流企業として、サプライチェーンの中でも特に、サービス提供している物流分野に特化してお客様の脱炭素経営に寄与できるように目指しています。その中でCO₂排出量算定・可視化サービスであるエコトランス・ナビを開発し提供を開始しました。
上村:今回のAmazon QuickSighの導入がもたらした変化や効果があれば教えてください。
助田様:今回Amazon QuickSight を導入したことでCO2排出量の可視化等が行えるようになりました。シミュレーション機能や公的機関への提出書類の作成機能などに寄与しています。
上村:Amazon QuickSight 以前に導入していたツールはありましたか?
助田様:はい、それまではTableauを使っていました。
上村:既にTableauをお使いだったとのことですが、ツールの変更による社内の声などはいかがでしたか?
助田様:社内の一部でしか使っていなかったため、特に不満の声は上がりませんでした。
上村:左様でしたか。今回導入されたツールは、Amazon QuickSightということですが、選定のポイントはありますか?
助田様:やはり、使用した分だけが課金される従量課金制が当社の希望とマッチしたのが大きかったです。エコトランス・ナビを利用しているのは主に営業職になりますが、CO2排出量を測定する業務は常時ではなく案件によるため、誰がいつ使用するのか想定がしにくいのが実情です。そのため、使用した分だけ課金されるAmazon QuickSightのライセンス形態が非常にマッチしました。
上村:Amazon QuickSight の操作感はいかがでしょうか。
助田様:以前Tableauを使っていたこともあり、BIツールはだいたいこんな感じかなという感覚があるので、特に難しさは感じませんでした。
上村:助田様以外の方のAmazon QuickSight に関するご反応はいかがでしたでしょうか?
助田様:まだツール自体を使い始めて間もないのですが、私以外はそこまで深い操作は行いません。しかし、見ての通りとても簡単に操作が行えてしまうので、みんな抵抗なく使っています。
上村:Amazon QuickSight において、難しいなと感じた点はありますか?
助田様:さほどありません。強いて言うならば、ダッシュボードに関して、Tableauで表現していたことを Amazon QuickSight で完全に再現することはできませんでした。ですが、ジールの開発の方が、以前のダッシュボードにとても近い画面設計をしてくださったので満足です。
上村:今後はどんな取り組みを検討中ですか?
助田様:エコトランス・ナビでの実績を受けて、エコトランス・ナビ以外でもAWS基盤を生かした拡張などを考えています。
上村:今後ジールに期待する点はありますか?
助田様:今後も課題に直面した際に、一緒に課題をクリアするための伴走やサポートをお願いしたいです。
上村:最後に余談ですが、うちの近所には日本通運様の浦和ボールパークがあります。昨年末、日本通運様の社会人野球で活躍されている選手の方々による野球教室が開催され、こどもの野球チームが参加しました。
助田様:日本通運の野球部ですね?
上村:はい、日本通運様の社会人野球はとっても強く、毎年プロに行く選手を輩出していると伺いました。
助田様:そうなんですよ、強いんですよ!
上村:野球も応援しています。本日はお忙しいところ突撃取材をお受けいただきどうもありがとうございました。
助田様:ありがとうございました。
参考:日本通運野球部HP.https://www.nittsu.co.jp/sports/baseball/
ブース訪問
AWS DeepRacer 開発者向けライブステージ
AWS DeepRacer は、「強化学習」によって駆動される完全自律型の 1/18 スケールのレースカーのことだそうです。
出典:AWS.「AWS DeepRacer とは何ですか?」.https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/deepracer/latest/developerguide/what-is-deepracer.html
参加者は、あらかじめ自作したライジングカーの走行プログラミングをUSBに入れてライブステージ横の受付でエントリーし、会場で走行のお披露目をし合うそうです。
サーキットでは、お披露目中の車がありました。
多くの方がご自身で作られたプログラムが入ったUSBを片手に、受付に並ばれていました。そして、たくさんの方々がサーキットの周りでその様子を見ていました。
AWS Cloud Quest
会場を回っていたところ基調講演をしていた会場のすぐ横で、何やら楽しそうにゲームをしている方々を発見。一体なんのゲームなんだろう?と興味津々で早速空いているモニターにピットイン。ご対応の方が他の体験者をご案内中だったため、とりあえず説明書を見ながらマウスをポチポチいじってみました。
説明書は、 AWS Cloud Quest の概要、おススメポイント、学習の始め方の解説でした。ここでは、AWS Cloud Quest が体験できるコーナーでした。
センターのモニターに目をやると、トレーニングの講師の方の映像が流れていました。あぁ、今回のイベントのために事前に予習していたAWSの講座に登場されていた方だ、と思ったらご本人がいらっしゃり、「昨日トレーニングを見て予習して参りました」とご挨拶することができました。
AWS Cloud Questとは
AWS Cloud Quest は、実用的な AWS Cloud スキルを身につけるための唯一の3D ロールプレイングゲームのことだそうです。ロール (クラウドプラクティショナー、サーバーレスデベロッパー、ソリューションアーキテクト、機械学習スペシャリスト、セキュリティスペシャリスト、またはデータ分析スペシャリスト) を選択し、クラウドスキルを学習して応用し、仮想都市の市民を助けるロールプレイングゲームとのこと。
ロール内のすべての課題を完了すると、デジタルバッジで成果をアピールできます。クラウド学習のジャーニーを始める場合でも、専門的なスキルに飛び込む場合でも、AWS Cloud Quest は、インタラクティブで魅力的な方法で学習できるそうです。面白そうですね。
出典:AWS.「AWS Cloud Quest」.https://aws.amazon.com/jp/training/digital/aws-cloud-quest/
AWS Cloud Quest 7つのレベルに分かれた学習コンテンツ
ゲーム内のクエストにはレベルに応じた仮想の島が7セット用意されているそうです。
2.ソリューションアーキテクト
3.サーバーレスデベロッパー
4.機械学習
5.セキュリティ
6.データ分析
7.ネットワーク
各コンテンツの詳細です。
1.クラウドプラクティショナー
クラウドの概念の基本的な理解を深め、ソリューションの構築を始めましょう。コンピューティング、ネットワーキング、データベース、およびセキュリティサービスを実際にご体験ください。
2.ソリューションアーキテクト
幅広い AWS のサービスのセットを詳しく見て、安全でフォールトトレラントで可用性の高い AWS ソリューションを構築しましょう。
3.サーバーレスデベロッパー
多層サーバーレスアプリケーションを構築し、AWS サーバーレステクノロジーを使用して最新のアプリケーションを構築する実践的な経験を積んでください。
4.機械学習
AWS の機械学習と人工知能サービスを利用してソリューションを構築しましょう。モデルトレーニング、強化学習、異常検出、テキスト読み上げ、コンピュータビジョンの経験を積んでください。
5.セキュリティ
AWS のセキュリティサービスを使用して、インシデントへの対応、迅速な修復、脆弱性の検出、データ損失の防止を実現するソリューションを構築します。
6.データ分析
最新のデータアーキテクチャと AWS の分析サービスに焦点を当てたこのロールで、スケーラブルなデータレイク、データウェアハウス、ビッグデータ分析などに取り組みます。
7.ネットワーク
AWS のサービスを利用して、ネットワーク接続のスケール、オンプレミスネットワークへの接続、アプリケーションの保護、ネットワークトラフィックの分析、疑わしいアクティビティの特定を行います。
出典:AWS.「AWS Cloud Quest」.https://aws.amazon.com/jp/training/digital/aws-cloud-quest/
クラウドプラクティショナー(初級コース)体験
こちらは、クラウドプラクティショナー(初級コース)の画面です。
仮想の街中で課題を取得し、その課題をクリアするためにソリューションの構築を行います。
構築手順に沿った学習コンテンツ
こちらはソリューションの構築手順画面です。
ステップを完成させるために丁寧な解説があり、クラウドスキルを学習するための課題をクリアしていきます。
しっかりとしたガイド付きのため、これからクラウドを学ぶ初学者であっても、ひとりで迷わずに学習を進めることができます。
学習定着のためのDIYコース
手順に沿った課題クリアで一通りの開発スキルを学んだあと、学習を定着させるためにDIYコースという応用コースも設けられていました。こちらは、先ほどの学習コースよりもやや難易度が上がるそうで、学んだスキルを活用して開発を進めていくコースだそうです。
Cloud Practitioner(クラウドプラクティショナー) の再認定コース
さらに、左上の【Cloud Practitioner 再認定】のコースを学習すると、クラウドプラクティショナーの資格期限3年の更新を行えるのだそうです。
実際には、6カ月以内にCloud Practitioner認定資格の有効期限が切れるユーザーが対象だそうで、コースを終了すると終了日から3年間Cloud Practitioner 再認定を受けることが出来るとのことでした。
これなら試験会場に行くこともなく、自宅でご自身のペースで更新ができとてもありがたいコースですね。
AWS Summit Japan in 2024 Cloud Quest トーナメント開催中
また今回のAWS Summit 開催に際し、トーナメントが行われているとのことでした。このトーナメントに勝ち上がった上位5名には、素敵な景品が送られるそうです。
※トーナメントはすでに終了しております。(2024/10/18 現在)
ジールブース
今回ジールブースでは、日本通運様の提供する CO2排出量可視化ツール「エコトランス・ナビ」のデータ基盤とダッシュボードをご紹介しました。
「エコトランス・ナビ」にAmazon QuitckSight、Amazon Redshift、AWS Glueを利用したユースケースについてご説明するとともに、クラウド高度運用のためのオブザーバビリティのユースケースとデモを展示ブースにてご案内しました。
お陰様で、多くのお客様にお立ち寄りいただきました。ジールスタッフ一同、心より感謝申し上げます。
本日いただいたもの
今年もイベント当日の午前10 時までに受付を完了した来場者にもらえる AWS SUMMIT 限定クッション、各ブース訪問の際に扇子、お箸、バック、ルーレットを回してTシャツ、加湿器、マスク、ボールペン、メモパッドなどをたくさんのグッズをいただきました。昼休みランナーのわたくしには、Tシャツは本当にありがたいです。既に着用しています。帰宅後、いつものように倅たちがやってきて、長男は扇子を持って行き、次男はクッションが気に入ったようで、早速顔を埋めていました。
各企業のみなさま、どうもありがとうございました。
感想
今回の AWS Summit Japanは、幕張メッセという会場の大きさはもちろんのこと、イベント自体も非常に大規模でした。初日に参戦したのですが、朝早くから多くの方が来場し、受付から大変混雑していました。桁外れのセッション数、ブース数に、大盛況なのも納得でした。だってどれも魅力的なんですもの。
基調講演では、東海旅客鉄道株式会社様が、リニア中央新幹線の設備保守システムにAWS IoT SiteWiseを活用し、山梨実験線にて行ったPoC(概念実証)の成果の発表もありました。
出典:AWS.「AWS IoT SiteWise」.https://aws.amazon.com/jp/iot-sitewise/
子どものころから「リニア新幹線」という単語は夢の言葉として耳なじみがありましたし、最近でも「リニア中央新幹線 2027年の開業を断念」というニュースを見ていたので、気になるトピックでした。そこにAWSが参入していたとなれば、興味が湧かない理由がありません。今回、リニア中央新幹線の設備保守関連でAWSが大役を担っていたことを知ることができて、非常に勉強になりました。
また電通デジタル様は、AWSの生成AIがデザイン関連にも大きな変革をもたらしていることを紹介したりと、注目と関心が集まる講演を聞くことができました。
そして今回突撃取材をご快諾いただきました日本通運の助田様、清水様からは、Amazon QuickSightの導入までのご苦労や、今後期待することなど貴重なお話を伺うことができました。
実際の導入に直接関わってるご担当者様の生のお声は、非常に説得力がありました。
日本通運様の課題に対してのジールの取り組み方、そしてお客様の要望を叶えるために一緒に歩みながら進んでいく姿勢。これらの点でジールは今回厳しく試されたのではないかと感じました。
ありがたいことに、導入後にジールを高く評価していただき、とても喜ばしいことだと思いました。お客様サポート体制の手厚さを誇るジールだからこそできる、導入後の伴走支援。これからも末永くお付き合いいただけるよう、社員一丸となって励んで参りたいと思います。
さらにAWS Cloud Quest コーナーでは、開発や翻訳に携わっていらっしゃるご担当の方に、開発までの道のりや、翻訳作業を一手に引き受けていらっしゃる裏方としてのご苦労や、ご自身がこれまで歩んでこられたキャリアのお話など、とっても興味深いお話をたくさん伺いました。
最後に、本イベントでかつて一緒に働いていた同僚と偶然再会しました。当時は仕事の話以外にも、政治経済、歴史の話題から、データが織りなす未来への妄想、はたまたあの未確認生物はどこへ行ったのかという話を良くしており、あの頃の感覚でおしゃべりが止まらなくなりました。何はともあれ、お元気そうで良かったです。BI online は今日も元気に稼働しています。ご安心ください。
と、まぁ、日常では決して聞くことができない会社の枠を超えた面白いお話や、こういった場でないと接触できない特別な方たちとお会いすることができました。イベント現地突撃レポートはこれだから面白いんだよなぁ~と、今回も多くの出会いに感謝し、会場を後にしました。