公開日:2025年1月24日

更新日:2025年1月24日

データマネジメントは、現代のビジネスで意思決定を強化するのに必要不可欠な手段です。

この記事では、データマネジメントの目的や重要性、データマネジメントを行うためのステップなどについて詳しく解説します。

また、データマネジメントを成功させるためのポイントや、導入事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

データマネジメントとは

データマネジメントとは、データを効率的に管理し、ビジネスに活用することを指します。

データマネジメントには、データの維持、蓄積、更新、そして可視化などの手段が含まれます。適切に管理されたデータは、迅速かつ正確な意思決定を支援し、ビジネス戦略の策定に大きく貢献します。

データマネジメントを行うことで、企業は市場の動向を読み取り、顧客のニーズに応じたサービスを提供できるようになります。

データマネジメントを行う目的

データマネジメントの目的は、集めたデータをビジネスに活用することです。例えば、顧客データ、売り上げ、商品データ、市場の動きなどのデータを分析して、商品の改善や新しい広告の考案に役立てます。

多くのデータを持っていても、データを活かせていない企業は少なくありません。データマネジメントは、企業が保有するデータを整理し、有効に活用するために重要な手法といえます。

データマネジメントの重要性

データマネジメントは、国が推進するDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れの中でますます重要性が高まっています。また、データが整理されていないと、同じデータが重複したり、間違った統計を出してしまったりすることからも、データマネジメントは重要です。さらに、日本の企業がデジタル化することは、国際競争で優位に立つためにも重要です。データを適切に扱うためには、データマネジメントが欠かせません。

国が定義しているDXの定義は以下のとおりです。

企業が外部エコシステム(顧客、市場)の劇的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること

データマネジメントの対象データ

データマネジメントで扱う「ビジネスデータ」には、主に以下の2種類があります。ここでは2種類のデータについて具体例を挙げながら詳しく解説します。

構造化データ:Excel、CSV、固定長ファイル、ROB内のデータ など
非構造化データ:テキスト、画像、音声、動画、センターログ など

構造化データ

構造化データとは、ExcelやCSVファイルによく見られる、「列」と「行」の形がはっきりとしたデータのことです。構造化データは、データが整然と配置されており、情報が分かりやすいのが特徴です。ビジネスにおいては、顧客リストや販売記録などが該当します。構造化データは分析や処理がしやすく、ビジネスでのデータ活用において非常に重要です。

非構造化データ

非構造化データとは、規則性のないデータのことです。例えば、メールのテキスト、動画、写真、SNSの投稿などが非構造化データにあたります。非構造化データは行や列といった明確な構造がなく、内容が多様で複雑です。また、データ単体が意味を持つうえに量が多く、分析が難しいとされます。しかし、社会のトレンドに沿った情報が多く含まれるため、ビジネスにおいて貴重な情報源となります。

データマネジメントのメリット

データマネジメントは、ビジネスの効率化と成長を促進する重要な要素です。正しく実施することで、企業は情報の価値を最大限に引き出すことができます。

スピーディーな意思決定ができる

データマネジメントを行うことで、データの収集、整理、統合の一元的な管理ができます。これにより、企業は過去のデータをもとに現在の状況を素早く把握することが可能です。また、素早い状況判断ができることで、スピーディーかつ効果的な意思決定が叶います。スピーディーな意思決定は、ビジネスの成長に不可欠です。データマネジメントが適切にできると、意思決定にかかる時間が短くなり、よりよい結果を出せるようになるでしょう。

業務の効率が上がる

データマネジメントを行うと、データの正確性や信頼性が向上します。企業がデータに基づいて予測を立てたり業務を自動化したりする際には、正確性や信頼性がとても重要です。正確なデータを利用することで、データに基づく予測の精度が高まり、自動化によって作業が効率化します。データマネジメントは業務の効率を大きく改善し、企業の時間とリソースの節約に貢献します。

非構造化データの管理ができる

データマネジメントの活用で、伝統的なテーブル形式では管理しにくい非構造化データも扱えます。非構造化データには、テキスト、画像、動画などが含まれます。ビジネスにおいて重要な情報が多いものの、分析が難しいとされるのが非構造化データです。しかし、データマネジメントで非構造化データをうまく管理すれば、直感ではわからない価値ある情報を見つけ出すことができたり、ビジネスの意思決定や戦略立案に役立てたりできます。

データのセキュリティを強化できる

データマネジメントによって、データのセキュリティ強化も可能です。データマネジメントには、データの保護やアクセス権限の管理、データを安全に保つためのルールを設けたりすることも含まれます。そのため、データが間違った人の手に渡ったり、外部に漏れたりする心配を減らせます。企業にとって、データを守ることは顧客の信頼を失わないためにも重要でしょう。

データマネジメントを成功させるためのポイント

データマネジメントを成功させるには、重要なポイントがいくつかあります。これらを知っておくことで、データを効果的に使いこなせるようになるでしょう。

目的を明確にする

データマネジメントは、目的を達成するための手段です。そのため、データマネジメントを行う前に、何を目指しているのかをはっきりさせることが大切です。例えば、顧客満足度の向上や売上の増加など、データを使って達成したい具体的な目標を設定しましょう。明確な目的があれば、データをどのように活用すべきかもより明確になります。

データの品質を維持する

データマネジメントでは、データの品質を高く保つことも重要です。品質の良いデータを使うと、間違った分析や誤った判断を避けられます。データの品質を維持するには、データの品質が基準を満たしているかどうかを定期的にチェックしましょう。このような継続的なチェックをすることで、データマネジメントの効果を最大限に引き出せるようになります。

システムを改善・アップグレードする

データマネジメントは、システムを導入したら終わりではありません。セキュリティを最新の状態に保つためには、常にアップデートが必要です。また、データを扱いやすくするために適宜システムの改善をしていきましょう。データマネジメントには、使いやすさの向上やデータ処理の効率化が含まれるため、システムを継続的にグレードアップして、改善することが求められます。

データマネジメントを進めるためのステップ

データマネジメントを進めるには、適切なステップを踏む必要があります。正しいステップで進めることによって、データの有効活用と効率的な管理が実現できるでしょう。

ステップ1.目的・戦略を決める

データマネジメントの最初のステップは、目的や方針をはっきりさせることです。まず、現在の状況を正確に把握し、理想とのギャップを明らかにします。ギャップを明らかにするのは、理想的な状態に向かうための出発点となります。データマネジメントのための予算を決め、経営陣の承認を得る必要もあります。これらの準備を整えておくことで、データマネジメントの基盤を固めることができます。

ステップ2.データ管理モデルを設計する

次のステップでは、データ管理モデルを設計します。この段階では、抱えている課題や目標に合わせて、どのようにデータを活用するかを具体的に決めます。どのデータが必要で、その量はどれくらいか、さらには、どのシステムを導入すればよいかを検討しましょう。これらを決定することで、最終的な目的に沿ったデータ活用が可能になります。

ステップ3.システムを構築・実装する

データ管理モデルを設計できたら、システムやツールを構築して実装します。システムの構築をすると、膨大なデータを自動で効率的に扱えるようになります。また、データやセキュリティに関するルールも設定しておくことも必要です。ルールを定めることで、データの安全性を確保し、正しい方法でデータが扱われやすくなります。システムの構築とルールの設定は、効果的なデータマネジメントに欠かせません。

ステップ4.データを利用して運用を始める

最後に、構築したシステムを利用して実際に運用を開始します。無事に運用が開始できたら、データの品質を維持し向上させるために、定期的な改善とアップグレードも行いましょう。また、セキュリティ管理も重要です。システム運用後もメンテナンスすることで、データマネジメントの効果を最大化でき、ビジネスの成長に貢献できるようになります。

データマネジメントの事例【ジールのサービス事例】

データマネジメントは数多くの企業が取り入れているビジネス強化のための手段です。ここでは、当社ジールがサポートしたデータマネジメントの事例を3つご紹介します。

旭化成株式会社様の事例

  • グループ全従業員、約4万人がデジタル活用のマインドセットをもって働けるような環境を目指す
  • 2021年6月、データマネジメント基盤構築パートナーに、マイクロソフト社から紹介を受けたジールを採用
  • 2021年10月には、データマネジメント基盤を使って、事業部門を横断して販売データを収集する形でリリース
  • Azure Data Factoryの初期段階のトレーニングを実施
  • 2022年4月に、データマネジメント基盤の本番環境の構築を完了した
旭化成株式会社様の事例について詳しくはこちら

ユナイテッドアローズ様の事例

  • 2系統で運用されていたデータ基盤の刷新が急務に
  • 現場目線に立った提案を評価し、DWH導入の伴走パートナーにジールを選定
  • オンプレミスのデータ活用基盤をクラウド型のデータウェアハウス(DWH)へと移行
  • 新たに構築されたデータ基盤に対して社内のデータを格納、ITサービスプラットフォーム部においてユーザーへの開放に向けた検証を行っている
ユナイテッドアローズ様の事例について詳しくはこちら

前田道路様の事例

  • サイロ化されたシステムがデータドリブン経営推進の障壁に
  • 臨機応変なサポートとマルチベンダー対応を評価し伴走パートナーにジールを選択
  • 複数のクラウド型DWHサービスの中からSnowflakeを提案
  • 2022年4月、前田道路によるデータ統合/分析基盤の導入プロジェクトがスタート
  • ジールの伴走支援のもと、現在、2024年度の本番運用開始に向けて設計、開発が進められている
前田道路様の事例について詳しくはこちら

データマネジメントはポイントを押さえて、正しいステップで進めましょう

今回は、データマネジメントの基本から実際の運用ステップ、導入事例までをご紹介しました。データマネジメントは、企業の意思決定を強化するのに欠かせない手法です。

ジールでは、30年の豊富な経験を活かしたデータマネジメントのサポートはもちろん、データプラットフォームの構築やBI・AIを活用したデータの可視化、DX人材育成まで、幅広いサービスを提供しています。データマネジメントの進め方がわからない、とお悩みの際はぜひ一度ご相談ください。

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