公開日:2023年7月28日

更新日:2023年7月28日

DX(デジタル・トランスフォーメーション)というビジネス用語は昨今頻繁に耳目に触れるようになりました。

更に、全人類を襲ったコロナ禍によって、旧来のビジネスモデルが立ち行かなくなるなどの深刻な試練に晒される事例も増えており、経営層はこれまでにも増して変革の必要性を痛感し、DX人材の育成が急務であり課題に感じておられることでしょう。

ビジネスを取り巻く環境が急激に変化しつつある中、既存の企業がこれまでの競争力を失わないためには、旧来のシステムや企業文化を根本から変えながら、人材を育成する必要性があると指摘されてきました。

しかしながら、DX化のような大きな変革を成功させつつDX人材を社内で育成していくことは一筋縄ではいきません。

企業内部でのDX人材育成は、データ活用の文化を社内人材に根付かせることが鍵となります。

本記事ではDX人材の育成を実現するために必要なデータ活用・データ分析のための人材育成の方法をお伝えします。

目次

データ活用の必要性~データ活用人材育成における背景、現状認識~

デジタルデータ活用はDX化を進めるための基礎体力

出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

DXの重要性が謳われるようになってしばらく経ちますが、そのDXを支える土台として、デジタルデータを活用するスキルがなくてはならない状況になってきています。

NTTデータ経営研究所によれば、DXは「攻めのDX」(顧客などに対するアプローチやビジネスモデルなど、外部を巻き込む改革)と「守りのDX」(業務の効率化や意思決定のスピード化など、組織内での改革)に分類できますが、そのいずれにとっても、デジタルデータ活用のスキルは必要不可欠といえます。

今や組織内の人材がデータ活用できることは企業がDXを推進するための基礎体力といえるでしょう。

DX時代に求められるのは会社組織の「全員データ活用」


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

そのような状況の中、これまでのような「勘・経験・度胸(KKD)」による意思決定から、現場でも裏付けとなるデータを活用し、それに基づいた意思決定をすることが求められてきます。

そのためにも、社内の全員がデジタルデータを活用できるよう、リスキリングを推進する必要があります。

まさに、全員データ活用の時代が到来したといえます。

DXに関するある調査結果によると、日本の企業がビジネスの場で成果を上げる要因と考えているものとして、データ活用に関するものが上位を占めています。
ビジネスの成果を得るために必要な要因や取り組みについて、「活用できるデータ」や「データ分析スキル」を取り上げています。

データの活用は今やビジネスの主要な成功要因として捉えられていますし、逆に言うと、データそのものやデータ活用の環境がないと、もはやビジネス自体が成り立たない状況になりつつある、というのが現状です。

会社組織の「全員データ活用」を阻害するものとは? 関連スキル・人材・データリテラシーの不足

一方、社内でのデータ活用を阻害している要因も、同じ調査で明らかになっています。
ビジネスの成果を得る際の阻害要因について、「関連スキルや人材の不足」、あるいは「会社組織全体のデータリテラシー不足」が上位に挙げられており、このことから、

  • データを活用できる人材がいない

  • データを活用するためのリテラシーがない

といったことがDX推進の阻害要因になっていることがわかります。

それゆえ、DX推進の障壁は人材育成の遅れであり、今後はデータを活用できる人材をどう育成していくかが非常に重要な課題になってくる、といえます。

データリテラシーを醸成し組織のデータドリブンを実現する方法

データリテラシーとは何か
育成すべき人材像がどのようなものかを考える上で、まず「データリテラシーとは何か」という点が問題になります。

Webで「データリテラシー」を検索すると、

  • 情報や知識を活用する能力

  • データの読み書き能力

  • データを理解して選んで正しく解釈する能力

など、様々な定義が出てきます。

ここでは「データリテラシーとはデータを仕事に活かすスキル」と定義していきましょう。

データドリブンな組織を実現するには
データドリブンとは、経験や勘などではなく、様々な種類と膨大な量のデータを分析した結果をもとに、データによって意思決定をしてビジネスが回っている状態のことです。

では、データを仕事に活かすスキルが社員に備わっていて、組織全体がデータを活かした業務を推進している状態(≒データドリブンな組織)はどのようにすれば実現できるのでしょうか。


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

上図のピラミッド構造は、データ活用に関するスキルという観点からみた、企業の人的な構造を示しています。

現状、多くの会社において、データを使いこなして業務を行うスキルを持った「パワーユーザ」は、ほんの一握りの社員にすぎません。

残りの多くの社員は、データの分析結果を見ることはできても、データそのものを活用して業務を行うことに慣れてない場合がほとんどです。

このようなユーザを「参照ユーザ」と呼びます。


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

DXを推進するには、このような構造をひっくり返し、ピラミッド構造を逆三角形構造にシフトさせることが大切です。

大多数を占める参照ユーザをパワーユーザのレベルに引き上げ、逆三角形型の組織に変えてゆくことで、データドリブンな組織の実現に近づくことができます。

データドリブンな組織が行うデータ活用とは

では、データドリブンな組織では、どのようなデータ活用を日常的に行っているのでしょうか。

(1)可視化・共有

データの活用の方法として最も多いのが、「可視化・共有」です。

全社・部・課といった単位で、共通の課題を解決できるようなデータを可視化し、それを共有することによって、社員の気付きや判断に役立てつつ、最終的なアクションに繋げていきます。

(2)分析

また一方で、一人ひとりが抱える個別の課題を解決するための「分析」という方法・使い方もあります。

社員自身が抱える課題に対して、仮説を立て、データで検証し、アクションに繋げるということです。


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

データドリブンな状態とは、これら「可視化・共有」と「分析」という2つの方法がデータに基づいて行われ、それらが噛み合ってうまく会社全体の業務が回っている状態のことを指します。

データ活用DX人材育成の進め方

日本企業のDX推進を遅らせているもの

「データドリブンな組織」を実現するためには、社内の全員が「データを活用する人材」を目指す必要がありますが、それには困難な課題があります。


出典:独立行政法人情報処理推進機構.『DX白書2023』
上のグラフは、独立行政法人情報処理推進機構『DX白書2023』に掲載された「社内でDXを推進する人材像の設定・周知ができているか」という調査結果です。

これを見ると、18.4%の企業が「設定をして社内に周知している」、12.0%の企業が「設定しているが社内に周知していない」と回答しています。

それ以外の約7割の企業は、DX推進のための具体的な人材像の設定ができていないことになります。

データを活用するスキルやリテラシーも、DXを進める上での人材像というところに入ってくるものですので、それができていないということは、DXがうまく行っている事例そのものが少ない、というのが現状だと考えられます。

DXを推進する上で必要なスキルやリテラシー自体の明確化が未だ充分にされていないということです。


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

さらに、弊社のウェビナー参加者のアンケート結果によれば、45%の参加者から「データ活用人材の育成を実施中」という回答が寄せられましたが、そのうちの実に61%が「人材育成が上手く進んでいない」と回答しています。

人材育成の必要性を感じながらも、思うように進められていない企業の割合が非常に高い、という現状を示す結果です。

データ活用人材育成の計画を立てる(課題の確認と計画、実行まで)

データ活用人材が育たない原因

人材育成の計画を立てて実行しようとした際に、「人材が育たない」「スキルが定着しない」という悩みを抱く企業が多いのが現状です。

また、そもそも計画の立て方がわからない、育成方法そのものがわからない、という話も非常に多く聞かれます。

その結果、人材育成の明確な目標を立てにくく、育成自体もうまく進まない、という状況につながっています。

データ活用人材育成のステップ

では、データ活用人材の育成は、具体的にどういう方針・方法で進めればいいのでしょうか。それを具体化するためには、育成の過程をどの範囲で捉えるかが重要になってきます。


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

育成のステップとして、まず「教育」があり、その後に「練習(トレーニング)」があって、その上で「実務活用へのトライ」を行っていく、という流れを上手く作ることができれば、育成の仕組みとしてしっかり機能しやすくなります。

そうした育成の中で身に付けたスキルを、実務に活用し続けられる状態を作ることが最終目標です。

DX人材育成を成功させるための課題

上で述べた育成のステップのうち、「教育」は基礎知識の習得です。そこで習得した知識は「練習(トレーニング)」で定着させ、そのスキルを実務に活用していく、という流れになります。

ところが、この「トレーニング」とその先にある「実務活用へのトライ」は、最も重要かつ必要性が高い部分であるにもかかわらず、実際の育成では抜けてしまいがちなのが現状です。

「教育」が完了すれば人材育成は終わり、という感覚で、探してきたコンテンツをそのまま提供して終わりにしてしまう企業も多いです。


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

これに対して、人材育成が成功している企業では、集合研修やセミナー・教材の配布・e-Learningという手法の違いはあっても、きちんと教育をした上で、トレーニングと実務活用へのトライというところへのフォローもきちんと考えていることが、特徴として見られます。

3つのステップのそれぞれを、しっかりと育成システムの中に組み込むことで、人材の育成に成功するのです。

自社に合った人材育成の方針を考える~「いつまでに」「何人を」「どのレベルまで」~

どのレベルまでの人材育成に取り組むべきかといった育成方針は、それぞれの企業によって異なります。

それゆえ、事業内容や、データ活用に求めるものを踏まえた上で、自社に合った方針を考えることが大切です。


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

具体的に育成計画を立てるときには、

  • いつまでに

  • 何人を

  • どのレベルまで

というような点が考慮されることになるでしょう。

このうち、「いつまでに」というのは、対象人数が100人や200人といった単位である場合と、数千人・数万人といったオーダーになる場合では、違いが出てくるでしょう。

また、「どのレベルまで」という点に関しても、業務内容などにより、中級レベルまで到達する必要がある場合もあれば、初級レベルで十分だという場合もあるでしょう。

そういった事柄を考慮しながら、育成の計画を立てていくことになります。

教育の方法を計画する ~集合研修か、e-Learningか~

まず、DX人材育成の計画のうち、「教育」の進め方というところにフォーカスします。

この部分の計画が立てにくいという声は、非常に多く聞かれます。

  • この教育方法で定着するのか

  • 受講者の選定はどうするのか

  • 段取りにどれくらい手間がかかるか

など、分かりにくいポイントが多数存在するからです。


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

例えば、受講者の選定ひとつをとっても、社員ごとのリテラシーの違いやモチベーションの差、部署ごとの温度差といったものをどう計画に落とし込んでいくかなど、考慮すべきポイントは多岐にわたります。

このあたりを、少し掘り下げて考えることにしましょう。

(1)集合研修(セミナー)だと、パワーユーザと参照ユーザで大きな差がついてしまう


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

一般的に、パワーユーザに関しては集合研修(セミナー)で十分な習得が可能な一方、社内で大多数を占める参照ユーザに関しては集合研修では知識が身に付かない傾向があります。

その最大の理由として、参照ユーザは研修(セミナー)に付いていくので精一杯になってしまうことが挙げられるでしょう。

短期集中でスキルを覚えなければならない状況の中、わからないことがあっても質問できなかったり、全体のペースを乱さないように気を使ったり、ということがしばしば見られます。


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

時間軸とともに習得レベルがどう推移するかというイメージを、グラフで見てみましょう。

集合研修(セミナー)を受講した場合、それによって一定のところまで全員の習得レベルが進みます。


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

集合研修(セミナー)が終わり、自社に帰って通常の業務に入ったときに、筋の良い人は自分なりに調べながらどんどん習得を進めていきます。


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

一方、多くのケースでは、研修(セミナー)が終わると、そのまま習得が進まなかったり、徐々にやらなくなったり、やめてしまったり、ということになりがちです。


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

先ほどの人材のピラミッド構造に当てはめれば、パワーユーザが前者のパターンになることが多いのに対して、参照ユーザは後者のパターンになってしまいがちな傾向があります。

(2)参照ユーザの研修(セミナー)にはe-Learningが最適


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

こういった参照ユーザ層の社員は、集合研修(セミナー)よりもe-Learningと相性が良いことが、弊社が提供するプログラムへのアンケート結果などからわかってきています。

段取りの手間という点だけでも、e-Learningには大きな優位性があります。


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

実際に会社で集合研修(セミナー)を実施するには、かなりの手間がかかります。

研修に参加できる人数に限りがあるので、社内で参加の可否を調整する手間もありますし、講師と研修内容を詰めることにも手間をかける必要があります。

それを何度も繰り返しやるということになると、それに比例して段取りの手間は増えていきます。

これに対して、e-Learningの場合はそのような手間が少なくなります。受講の申し込みをすればすぐ利用開始ができ、人数制限の必要も基本的にはないので、大幅な手間の削減につながります。

e-Learningを活用したDX人材育成の成功事例

加えて、e-Learningの場合、活用方法を工夫することで、効果をいっそう高めることができます。
社内での人材育成に成功した事例として、以下のようなものがあります。


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

  • 最初は20名の枠でe-Learningを社内募集して実施。そのあと、3ヶ月ごとに募集して申込者に対してe-Learningを提供し、修了者の割合を少しずつ増やしていった事例

最初は20名、と枠を決めてスタートしたところがポイントになります。

  • リテラシー・経験値・年齢層などがなるべくバラバラになるよう受講者をピックアップし、PoC(概念実証)で検証して、それ以降の計画立案を精緻化した事例

他のツールを使いこなしている人からExcelにすら慣れていない人、年齢層も20代から50代までと、さまざまな人にe-Learningのプログラムを受講させて試験運用し、それぞれの人をどれぐらいの期間でどれぐらいのレベルまで育成できるかを検証し、そのフィードバックによって効果的な運用方法を探った、というものです。

  • 最初に検証のために社内の特定の部署だけで育成を実施し、その結果を精査して他部署に広げていった事例

特定部署でのデータを、他の部署で必要な期間を予測する際のインプット情報にし、社内の各部署に展開していきました。

このように、会社全体のスキルを底上げするために色々なアプローチが図られていますが、これらに共通しているのは「まずは仕掛けてみる」というところだと思われます。

その上で、仕掛けてみた結果を次の計画にフィードバックしつつ、次第に計画の精度を上げていく、というプロセスを繰り返すことが、DX人材育成の成功への近道です。

スキルの定着率を上げるためのフォローの必要性

次に、社内育成全体の成功率を上げていくためのフォローについて考えていきます。


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

「教育」のステップだけでなく、「練習(トレーニング)」と「実務活用へのトライ」のステップへのフォローをきちんと行うことで、定着率はさらに上がります。

e-Learningはコンテンツを一定期間利用できるため、ここでも優位性があります。

受講期間に「練習」と「実務活用へのトライ」を並行して進めるためにフォローを入れやすく、教育によって得られた知識やスキルを忘れないうちに定着させやすいからです。


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

パワーユーザに属する人は、得た知識やスキルを基に自ら習得を進める方法を知っています。しかし、パワーユーザだけでなく、組織全体としてのスキルを底上げし、データを活用する文化を醸成し、データドリブンな組織を作っていく上では、参照ユーザのような層の社員にも、知識やスキルを定着させていく取り組みが重要になります。

具体的な取り組みの事例として、次のようなものが考えられます。


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

(1)習得時のフォロー

・ガイダンスやキックオフにより、受講者が「なぜこれを習得したいのか」といったことを話し合える機会を作る

・進捗管理(受講者がちゃんとプログラムを進めているかを定期的にチェックする)

・学習が進んでいない受講者にはしっかりとフォローを入れて、脱落しないようにする

(2)習得後のフォロー

・社内アンケートを取って、次の計画にフィードバックしていく

・プログラムを終えた卒業生のコミュニティを作って、成果を共有する

このように、学習を進める上での主体性が受講者に依存してしまうe-Learningの場合は、さまざまなフォローにより定着を促す必要があります。

つまり、モチベーションを維持する工夫や、最後まで完走できるようにすること、終わった後も不明点は質問して解決できるようにしておくことなどが必要です。

そのようにして、一度やる気を出してくれた社員がその後もしっかりと継続できる仕組みを整えることが課題となります。

なお、e-Learningの場合には、これらのフォローを利用期間中に仕掛けられるというのも大きなメリットです。集合研修の場合は、短期集中での一発勝負になってしまうため、こういったフォローが効果を上げるようにするのが難しい傾向にあります。

では、このようなフォローを上手く行わなければ、どうなってしまうのでしょうか。

フォローが行われなかった場合の定着性


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

フォローがなくても問題なく習得できるという受講者も少なくはありません。

上のグラフの青線のように、コンテンツ数の増減はあれども継続してコンテンツを利用するタイプの受講者がこれに当たります。


 出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

しかし、そうでない受講者はなかなか習熟できないことになります。

最初にログインした後しばらく放置し、コンテンツの利用期限が迫ってきた頃にやり始める、終盤の方に少しだけやる、多くのコンテンツを最終盤に追い込んで利用するなど、グラフの赤線のようなパターンの受講者です。


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

このような受講者は、一般的に社内アンケートでも満足度が低く、データドリブンな組織やデータを活用する文化の醸成という点でも、こうした人々の存在は障壁になってしまいます。

したがって、組織としての底上げのためには、こういう受講者をなるべく拾っていくようにフォローしていくことが重要です。

DX人材育成の成功事例 ~YAMAHA株式会社~

上記を踏まえた上で、ここで、弊社のZEAL DX-Learning Roomを活用されて上手く人材育成を進められたYAMAHA株式会社の事例がありますので、ここで紹介します。


出典:ジール.「【DX-LR】必ず成果を出すPower BIによるデータ活用・データ分析の人材育成手法とは ~成功する企業は他社と何が違うのか?事例を交え、自社に合った人材育成のコツをご紹介~」セミナー(2023年4月28日実施)

YAMAHA株式会社でZEAL DX-Learning Roomによる社内DX人材育成が成功した理由として、3つのポイントがあります。

1つ目は、データ活用の本質についての柏木先生の入門講座により、方法論だけではなく、データを活用することの意義を、参照ユーザの方々にも理解していただけたことです。

2つ目は、受講サイクルとして3カ月単位に募集と受講を繰り返したことです。

そして、3つ目は、e-Learningではありながら分からないことは専門家に質問し確認をできるサービスを利用して、きっちりと理解した上で進められたことです。

YAMAHA株式会社での導入事例については、以下のURLもご覧ください。

まとめ: データ活用人材の効果的な育成で、未来を開くDX推進を

(1)データ活用スキルは、DX時代のビジネスの原動力

・DXが進む現在において、データを活用することはビジネスの成功に不可欠な課題になっています。

・企業において「全員データ活用」を実現してデータドリブンな組織を実現することは、これからのビジネスの成功に欠かせなくなってきています。

・その一方、データ活用人材の育成にはさまざまな困難が付き物で、それが多くの企業でDXの推進の障壁になっています。

(2)データ活用DX人材の育成には、社内教育・トレーニング・実務への活用の3段階でのサポートが必要

・人材育成を有効にし、データ活用を企業文化として醸成するためには、知識やスキルの教育と並んで、トレーニングと実務への活用が重要です。

・育成すべきDX人材は企業によって異なるため、それに沿った計画を立てて育成を進めていくことが大切です。

(3)現場部門の社員を育成し、企業全体でのDX化底上げを図るには、e-Learningによる研修・セミナーが最適

・e-Learningを使って成果を出す企業が、現在非常に増えてきています。

・組織全体でデータ活用のスキルの底上げを図り、データを活用して意思決定する文化を醸成するためには、e-Learningを中心に適切なサポートを組み合わせながら育成を進めることが大切です。

(4) ZEAL DX-Learning Roomで、効果の出る人材の育成を

・弊社が提供するZEAL DX-Learning Roomは、YAMAHA株式会社など多くの企業でのデータ活用人材・DX人材の育成をしてきました。

・e-Learningを中心に、データ活用の考え方についての入門講座や、専門家によるサポートなど、さまざまな特色を持つZEAL DX-Learning Roomは、各企業様のDX化・DX人材育成を力強く推進いたします。

 

ZEAL DX-Learning Roomをもっと知りたい方へー関連記事はこちら

 

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監修:福田 成志(Fukuda Seiji)

福田 成志

株式会社ジール 執行役員 データドリブンサービスユニット ディレクター・ユニット長

20年以上ジールを支えてきたメンバーの一人。2001年にジールへ入社後、BI/DWH を中心に経験。その後、執行役員としての経営やマネジメント業務の傍ら、ジールが取り扱うDX人材育成自社サービス『ZEAL DX-Learning Room』の責任者としても、2020年7月より企画・構想から携わり開発からリリースまで一気通貫でPMを務め、2021年4月にサービス提供を開始。多くのお客様より「DX-Learning Roomを活用できれば対面の研修より効果が上がる」と喜びの声を頂いている。

専門分野:DX人材育成事業を牽引、また製造業・建設業・製薬業・サービス業・生命保険・公共事業など幅広い業種でのBI/DWH構築・システム開発に対して豊富な知見を有する。 #ZEAL DX-Learning Room #人材育成 #DX化 #DWH

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