オープンデータは、今やビジネスや行政、研究の現場だけでなく、自治体や政府、公共団体の領域においても欠かせないリソースとなっています。しかし、具体的にオープンデータの定義とは何か、その意義や活用方法を理解している人は、観光分野や防災、統計など各省や総務が推進し、公開されているサイトを参考にする機会が少ないかもしれません。
本記事では、オープンデータが注目される背景や、オープンデータの入手方法、活用事例などをご紹介します。特に、オープンデータの入手方法や利用法を知りたい方には必見の内容です。さらに、今だけ期間限定でオープンデータの活用法を学べる特典資料を無料でダウンロードできます。
目次
オープンデータとは?
オープンデータとは、誰でも自由にアクセスし、使用し、Excelやcsv形式のファイルがダウンロード可能な形式で公開されたデータのことを指します。通常、オープンデータは政府機関や公共団体、研究機関が提供しており、その目的は情報の透明性を高め、社会の様々な課題解決を促進することにあります。
オープンデータの基本的な特徴として、そのデータは機械可読および機械判読に適したフォーマットで提供され、利用規約とルールに従って使用制限がなく、ライセンスが明確である点が挙げられます。このようなデータは、個人や企業、研究者、開発者、さらには各自治体の活用事例として、ポータルサイトやカタログサイトで一覧表示されるダッシュボードを通じて利用可能で、例えば新たなサービスの開発や政策決定の根拠として活用されます。
特に、技術進歩とともにオープンデータの価値は高まっており、ビッグデータやAI技術に加えてGISを活用した地図やデータベース、ダッシュボードと連携することで、統計に基づいた人口マップ作成、災害予測、交通解析など、より効率的なデータ分析や予測が可能になります。
オープンデータの意義
データを一般利用できるようにすることで、カタログサイトやポータルサイト、Excel ダウンロードや csv 形式での一覧表示などの活用事例を提供し、経済の活性化および行政の効率化などさまざまな課題解決に貢献しています。また、政府のオープンデータであれば、デジタル庁や総務省と連携し、地方公共団体が運営するポータルサイトやカタログサイトで、統計や調査データ、さらにマップやランキングによる利活用事例を提供し、情報の公開を通して自治体の透明性を保持し、信頼を向上させる意義を実現しています。
オープンデータが注目されている背景
2000年代前半から世界規模でオープンデータへの注目が高まり、政府や自治体のwebサイトやダッシュボードで公開される統計や地図、Excelフォーマットのデータセットなどの活用事例が拡大し、日本でも2011年の東日本大震災を契機に、災害情報や防災関連の電力状況、国策や政策の可視化が推進され始めました。
2013年のG8サミットでは「オープンデータ憲章」政府が保有するデータを公開し、透明性とイノベーションを促進するための国際的な取り組みが採択されました。2016年に「官民データ活用推進基本法」が施行され、国及び地方公共団体はオープンデータの推進を義務付けられました。
オープンデータの入手方法
デジタル庁が運営する情報ポータルサイト『データカタログサイト』では、各省や府が保有する情報をオープンデータとして掲載し、政府の統計やランキング検索を通じた利活用が推進されています。データカタログとは、データを体系的に整理し、分類やタグ付けを施した公開一覧である、という定義が一般的です。また、データセット(データのまとまり)はカテゴリごとにタグや定められたルールに基づきグループ化され、csvやpdfフォーマットでのダウンロードが可能な場合もあります。
各自治体のデータについては、各ホームページにある『オープンデータカタログサイト』から、公共団体が提供する統計や政策に関する調査データ、さらには交通や医療などの領域別マップをダウンロードすることが可能です。
オープンデータの活用事例
オープンデータは様々なサービスで活用されています。ここでは政府や自治体が公開したオープンデータの活用事例をご紹介します。
Google「公共交通機関のルート検索サービス」
名称 |
公共交通機関のルート検索サービス |
---|---|
提供者 |
Google合同会社 |
概要 |
公共交通機関等のルートを検索できるサービス。 |
提供形態 |
スマホアプリ、webアプリ |
利用したオープンデータ |
公共交通機関の時刻表・路線情報 |
オープンデータの提供元 |
沖縄エアポートシャトル有限責任事業組合、 |
出典: Googleマップ ヘルプページ
検索エンジン大手のGoogleが沖縄県の公共交通機関事業者から経路や運賃情報などを集約し提供しているルート検索サービスです。沖縄では4事業者が路線バスを運行していますが、乗り換えが複雑。観光客だけでなく県民の利用者数も減りつつあるのが実情です。
そのため、バス以外にもモノレール、船舶、レンタカーによる移動経路の検索を可能することで、県民ならびに観光客の利用者増を図っています。
Coaido株式会社「Coaido 119」
部門の壁を超え、誰もが正確な情報を入手できるデータプラットフォーム
名称 |
Coaido 119 |
---|---|
提供者 |
Coaido株式会社 |
概要 |
119 番に通報をすると同時に、周囲に SOS するための緊急情報共有アプリ。救命ボランティアの要請も可能。 |
利用したオープンデータ |
AED 設置施設 |
オープンデータの提供元 |
自治体 |
119 番に通報すると同時に、周囲に SOS を発する緊急情報共有アプリです。日本では1日あたり約200人が心停止によって突然死しており、病院外で心停止が発生した場合には約9割が死亡するとされています。
迅速な心肺蘇生やAED処置のため、Coaido 119に事前登録している医療有資格者や救命講習受講者、AED 設置者に約10分間の救命ボランティアを要請できるサービスです。
一般社団法人オープン・コーポレイツ・ジャパン「マイ広報誌」
名称 |
マイ広報誌 |
---|---|
提供者 |
一般社団法人オープン・コーポレイツ・ジャパン |
概要 |
各自治体の広報紙をまるごとにデータ化し、インターネットで無料配信するサービス。 |
利用したオープンデータ |
各自治体の広報誌 |
オープンデータの提供元 |
各自治体 |
各自治体の広報紙をまるごとにデータ化し、インターネットで無料配信するサービスです。パソコンやスマホで誰でもいつでも利用できるのが魅力です。一般社団法人オープン・コーポレイツ・ジャパンが自治体広報紙のオープンデータ利活用実証研究として製作しました。各自治体の広報部門と協力しながら推進しています。
特定非営利活動法人エムアクト「オストメイトなび」
名称 |
オストメイトなび |
---|---|
提供者 |
特定非営利活動法人エムアクト |
概要 |
オストメイト対応トイレにかんする情報をデータベース化し、スマホアプリで情報配信する。 |
利用したオープンデータ |
多目的トイレのバリアフリー情報 |
オープンデータの提供元 |
自治体 |
オストメイトなびは公共トイレの一つであるオストメイト対応トイレに関する情報を、スマホアプリで配信するサービスです。日本中のオストメイト対応トイレの場所を手軽に検索できるため、人工肛門・人工膀胱のある方たちのQOL(生活の質)向上に貢献しています。
日本語と英語に対応しており、インバウンドの需要も網羅しています。
SOMPOひまわり生命保険株式会社「リンククロス アルク」
名称 |
リンククロス アルク |
---|---|
提供者 |
SOMPOひまわり生命保険株式会社 |
概要 |
毎日の散歩・ウォーキングを便利に楽しくするスマートフォンアプリ。 |
利用したオープンデータ |
東京の魅力を再発見しながらウォーキングをするための特設サイト「TOKYO WALKING MAP」に掲載しているウォーキングコース |
オープンデータの提供元 |
東京都 |
リンククロス アルクは毎日の散歩・ウォーキングを便利で楽しくするスマートフォン向けのアプリです。東京の魅力を再発見するウォーキング用サイト「TOKYO WALKING MAP」のウォーキングコースをアプリ内で掲載し、都民が歩く機会の増進を目指しています。
保険会社として「保険金を支払う」という、いざというときの役割だけではなく予防の観点からケアをするコンセプトのもと配信されています。
宮崎県「ひなたGIS」
名称 |
ひなたGIS |
---|---|
提供者 |
宮崎県 |
概要 |
社会・人口統計体系を地理情報システム(GIS)上に可視化 |
提供形態 |
アプリケーション |
利用したオープンデータ |
国土地理院のGISをベースにe-statなど |
オープンデータの提供元 |
日本政府 |
出典: ひなたGIS公式ホームページ
ひなたGISはオープンデータや各種統計データを地理情報システム(GIS)に重ねることで、地域の特色や課題を可視化するシステムです。
宮崎県庁職員が自習研究の一貫として制作をスタート後、県の公式アプリ化。アプリケーションのコンテンストでの最優秀賞受賞や大学入試センター試験に使用などと様々な場面で評価されています。
オープンデータのビジネス利用の検討を
オープンデータは無償で入手できるうえに複製や加工、再配布や商用への二次利用も自由です。オープンデータそのものに価値を置いたサービスの展開だけではなく、自社ビジネスの推進のための利用もご検討ください。
なお、ジールでは多方面から企業のDXを支援しています。これまでの実績は1,000社以上。オープンデータや外部データの配信・提供を行うサービスもご用意しています。自社データと外部データを掛け合わせてビジネスを加速させます。
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第1章:オープンデータとは
第2章:業種別・オープンデータの利用例
- 利用用途①:店舗の売上と気象データ
- 利用用途②:店舗の売上と人口データ
- 利用用途③:店舗の売上と内需・外需データ
- 利用用途④:店舗の売上と財務・景気動向データ
第3章:オープンデータを活用する手順
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