2020年10月14日、株式会社ジールにて、『【ウェブセミナー】CPM(予算管理・管理会計)の窓口セミナー 100社に導入したから知っている、予算管理の実情とExcel依存からの脱却方法』が開催されました。その内容をレポートします。
はじめに
予算管理業務をExcelで行っている企業も多いのではないでしょうか。しかし、近年、予算管理システムは、急激な環境変化に対応するため経営判断の効率化が脚光を浴び、様々な製品が増えてきました。どの製品も一長一短があり、それぞれの製品がどのような特長を持っているのかを把握することは容易ではありません。本セミナーは、様々な予算管理システムを取り扱っているジールが、予算管理システムを導入する時のポイントから、それぞれの製品の特長を紹介するセミナーです。
目次
1.100社に導入したから知っている、予算管理の実情とExcel依存からの脱却方法
これまで予算管理のシステム導入の背景として、多くのお客様が、作業の効率化や予算制度の向上を目的として導入されていました。製品としては、Excelを中心に行っている企業は多いのですが、Excelならではの課題に縛られて、予算業務の高度化につなげられていないという状況があります。
予算管理業務は、データの入力、収集、集計、レポート作成などをしなければなりませんが、大変な労力が費やされてしまうケースが多々見受けられます。この作業自体はあまり重要ではなく、入力したデータをどのように見るか、ということが重要なことになりますので、極力この作業を圧縮して、本来あるべきはずの分析とシミュレーション、そして経営判断を見いだす活動に従事すべきです。そのためには、専用のプランニングシステムを導入することによって、それらの作業からシフトしていけるのではないかと考えています。
2.予算管理のソフトウェアっていろいろあるけど、どんな違いがあるの?
BIシステムとプランニングシステムと何が違うのか?と言われることがあります。簡単に違いを説明するとBIシステムは、ERPに蓄積された既存のデータをどのように参照するのか?というもので、プランニングシステムは、現在存在しないデータをどう作るか?という観点のソフトウェアになります。
プランニングシステムの主な機能としては、以下があります。
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自動集計、自動計算
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多軸管理によるセグメント分析
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バージョン管理・シミュレーション
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ワークフロー(承認)機能
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セキュリティ、変更履歴の管理
上記のような機能がありますが、プランニングシステムの最も特長的なところは、データの構造になります。
プランニングシステムのデータモデル
それぞれのプランニングシステムの大きな違いは、データの構造になります。もちろん、コンセプトなどの違いもありますが、その製品のデータの構造によって、製品特性が異なってきますので、ここに絞って説明します。
一般的に利用されるデータベースは、RDBといわれるリレーショナルデータベースです。取引データが順を追って蓄積されていく構造になっています。一方、プランニングシステムでは、MDBといわれる多次元階層構造で作られたデータベース を利用します。MDBは、いろいろな切り口で数字を見ることができ、またそれが階層構造になっていることが大きな特長となっております。RDBは、明細データを保持することが得意で、MDBは、集計データを保持することが得意としています。
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RDB :一般的に利用されるデータベース。取引データが順を追って蓄積されていく構造。
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MDB:プランニングシステムに利用されるデータベース。多次元、階層構造。
プランニングシステムには、MDBだけのものもあれば、MDBの概念を持ったRDBの製品もあります。MDBとRDBの両方入っているものが良いのではないかという意見もありますが、シンプルな構造のほうが良い場合もあるので、要件によって適した製品を選ぶことが重要です。
また、同じ業種でも企業文化や経営者によって見たい数値が異なってきます。
例えば、欧米の企業と、日本の企業の例で説明します。欧米の企業では、経営のプロの方が、ファイナンシャルの観点で数字だけを見れば良いと割り切っているケースがあります。その場合は、取引データは必要なく、損益計算書の数字だけ見れればよいということになり、シンプルなMDB構造のプランニングシステムがよいです。一方で、生え抜き経営者が多い日本企業に多いのは、取引単位のデータまで管理したいという要求です。その場合は取引データの明細まで見える仕組みが必要となります。
まとめると以下のような形です。
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PL(損益)の管理を重視するパターン
→明細データは必要なし。RDBはないシンプルな構造を推奨。 -
明細データの積み上げで<計画>と<実績>を重視するパターン
→明細データが必要。RDBはあったほうが良い。
PL(損益)の管理を重視しているお客様と取引データや明細データの積み上げで計画と実績を見ていくお客様に分かれます。前者は、必ずしもRDBが入ったソフトウェアを選ぶ必要はないかもしれません。後者は、多次元データベースだけで成り立っているソフトウェアは当てはまらないかもしれません。そして、今後はどうしていきたいのか、シンプルにPL(損益)だけを見る仕組みにしたいのか、詳細も見ていきたいのか、といった観点で選んでいけばよいでしょう。
3.目で見て感じる各種製品特性紹介デモンストレーション
本項では、以下の製品の特長について紹介するとともにデモンストレーションをしました。
※本項ではデモンストレーションの内容は割愛します。
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IBM Planning Analytics
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SAP Analytics Cloud (Planning)
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Oracle Cloud EPM Planning
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CCH Tagetik
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Workday Adaptive Planning
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Board
4.製品選定におけるカスタムデモの依頼方法
お客様が製品を選定する時には、通常のデモンストレーションではなく、自社の業務にあったカスタムデモを依頼する場合があります。このカスタムデモとは、特定のお客様に限定したオンリーワンの製品デモンストレーションです。開発費用や導入期間を高い精度で見積もりができるメリットがあります。
しかし、カスタムデモを見ても、知りたいことがよくわからなかったということがあったり、イメージと全く異なってしまい、検討が進まなくなったりするケースを聞くことがあります。
そのようなことを回避するために、お客様の要件を重要度と難易度でカテゴライズして要件定義をする必要があります。
重要度が高く、難易度が高いものがIT投資をするべき対象ですので、こちらを導き出していくことが最終的なプロジェクトの成功につながると考えています。
5.「Z-PLSS ZEAL-PLanning Select Service (ジープラス)」のご紹介
CPM製品提案 Z-PLSS ZEAL-PLanning Select Service (ジープラス)は、お客様の目的達成のためにベストな予算管理、計画管理システムをマッチングするサービスです。複数製品のご紹介はもちろんですが、業務課題や目的の整理、製品検討をお手伝いします。その上で、お客様の業務に最も合っている製品を一緒に探っていくサービスです。専業ベンダーとして、多くの製品熟知している立場だからこそできるサービスです。
お客様自身が、いろいろな製品を知るためにそれぞれのメーカーに直接問い合わせると、それぞれメーカーの営業をコントロールしなければなりませんが、このサービスを利用すれば窓口を一本化し、お客様の目的に合わせた比較検討が可能になります。また、もし導入することになった場合でも、構築から運用、サポートまでできますので、そのままお任せすることができます。
■ お客様のメリット
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必要な情報を一括収集
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目的に合わせた比較検討が可能
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フラットな視点で意見が聞ける
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何度でもアドバイス!
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導入実績のあるプロが選定ポイントを伝授!
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そのまま導入から運用支援までサポート!
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予算管理システムを検討される際には、ご検討ください。
お問い合わせはこちらになります。
※セミナーでは、「Z-PLSS ZEAL-PLanning Select Service (ジープラス)」を「CPM製品提案 ABCサービス」と表記し、ご説明しておりましたが、サービス名が変更になりました。
6.まとめ
予算管理システムを導入するときのポイントから多くの製品の紹介、そして導入サービスまで幅広い内容でした。予算管理の導入もしくは見直しを考えている方には、参考になるのではないでしょうか。
もっと深く話が聞きたい、もしくは直接聞いてみたいという方はこちらからお問い合わせください。