2021年3月19日、株式会社ジールにて、『【ウェブセミナー】データ活用成功の秘訣はお客様との伴走~「カスタマーサクセス」でお客様のデータ活用を成功へ導く~』が開催されました。その内容をレポートします。
はじめに
データ活用の重要性についてよく話題になりますが、データ活用をする上で欠かせないものが、データを活用するための製品です。数多くある製品の中から選択し、社内に定着させ、社内の誰もがデータを使いこなせるようになるまでには、かなりの時間と工数が必要です。時にはうまくいかず、導入しても使われなくなってしまうケースも見受けらえます。実際にどのようにすれば失敗することなく導入することができるのでしょうか。ジールとウイングアーク1stでは、お客様に実践的にデータ活用を行って頂けるための支援を重要視しており、ここがデータ活用の成功のポイントだと考えています。本セミナーでは、ジールとウイングアーク1stより、お客様ご自身でデータ活用が出来るようになっていただくための支援について、導入事例を交えてご紹介します。
目次
第1部 データ活用の始め方とデータ活用の成功方法とは
<講師> 株式会社ジール ビジネスディベロップメント部 栗原 和音氏
データ活用製品の導入がうまくいかない、使われていないというケースをよく聞きます。それは製品の問題はなく、どのような良い製品にも必ず壁があり、気づきにくいものだと感じています。そのデータ活用の壁とはどのようなものでしょうか。以下4点が考えられます。
データ活用でよくぶつかる”壁”
- 簡単といっても慣れが必要
- BIツールの操作以外にデータベース知識も必要
- すぐに気兼ねなく頼れる人 がいないと続かない
- この使い方で正しいのか?という不安
これらの壁を想定せずにデータ活用プロジェクトを進めてしまうと、導入した製品も使われなくなってしまいます。
では、壁を乗り越えて成功するポイントは、何でしょうか。そのポイントは以下の3つです。
- 製品の良さ
- 導入前のトレーニング
- 導入後のサポート
これらの壁を想定せずにデータ活用プロジェクトを進めてしまうと、導入した製品も使われなくなってしまいます。
特に3目のポイントは、一番重要であり忘れられがちなポイントでもあります。
例えば、導入後に実際に受けた相談例として、以下のようなものがあります。
-
この業務はMotionBoardに向き?不向き?
-
他社はどのような使い方をしているのか?
-
使ったことがないチャート(グラフ)の活用方法を知りたいんだけど…
このような質問はいったい誰に聞いたらよいのでしょうか。導入後のサポートがないために、プロジェクトがストップ、開発したけど定着しない、もう使われていない…、というケースをたくさん見てきました。
データ活用の実践例
では、データ活用に成功されているクラシエ製薬様の事例を紹介します。
クラシエ製薬様のデータ活用の進め方として、以下の3つがポイントでした。
・少しずつデータ量を増やす。
社内にあるデータを、まず1年分から利用し、次に3年分のデータへといった形で段階的に増やしていきました。
・ある部門へ導入後、他の部門にも展開する。
まずニーズのあった営業部門に導入し、成功体験を製造部門に展開していきました。
・エンドユーザに少しずつ BI ツールに慣れてもらう。
既存のExcelレポートをBIツールに置き換えて、BIツールの利用を習慣化していきました。
この結果、クラシエ製薬様は以下のように変わっていきました。
本セミナーでお伝えしたいことは、データ活用を成功させるためのポイントは以下の3つであり、ウイングアーク1stもジールも特に重要である「導入後のサポート」に自信があるということです。
第2部 ウイングアーク1stがお客様を成功に導く「カスタマーサクセス」とは
ウイングアーク1st株式会社 Customer Success部 幸田 泰一郎 氏
よくお客様からカスタマーサポートとかカスタマーサクセスの違いを聞かれます。カスタマーサポートは、お客様からの問い合わせに対して迅速に回答し、問題の収束をミッションとしていますが、カスタマーサクセスは、お客様の体験、お客様成果を醸造するのが目的としており、お客様の成功をサポートするものです。
カスタマーサクセスマネージャによる伴走型支援サービスとは?
製品の導入をゴールとせず、ビジネスの成果創出までお客様と共に走るためのサービスです。
お客様の目指すゴールを確認し、運用開始後に改善点の洗い出しを継続的に実施していきます。実際にどういう結果であったのか、ビジネス的に本当に役に立ったのかということを確認していきます。
お客様自らがウイングアーク1stのサービスを活用し、ビジネスの目的を達成できる状態にしていきたいという想いからこのようなサービスを提供しています。
なぜ伴走型支援サービスが必要なのか?
データの活用は非常に難しいと考えております。それは、業務に応じた担当者、つまりデータ分析に知見があるという人が必ずしも作業を行っているわけではないからです。総務省が行っているアンケート調査に次のようなデータ(下図)があります。どのような人がデータの分析を行っているのか?というアンケートを実施しているのですが、その結果によると、どの業界の担当者もデータに長けている人が行っているわけではないことがわかります。
では、どのようにすれば、データ活用がうまくいくのでしょうか。それは、データ活用に必要なものは以下の3つのノウハウだと考えています。
1.データの蓄積整備
2.ツールの使い方
3.数値の見せ方
このノウハウに対して、弊社ではMotionBoardの導入の場合、次のようなプロジェクトの進め方を推奨しています。
Phase1:導入期 いきなり100点を目指すのではなく、ゴールに対して最小の機能だけを構築するスモールスタート
Phase2:活用期 実際に運用をしながら業務へのFit&Gapを探ります。
Phase3:改善期 活用期で見つけた課題に対して手だてを打ちます。
そして成功へのポイントとしては以下の3点です。
1.推進体制:役割分担を決めて、しっかり体制を作って臨んでください。
2.課題認識:何のために行うのか、という目的をはっきりさせましょう。
3.MotionBoardらしく:現行の踏襲に拘りすぎると、メンテナンス性も悪くなるので、MotionBoardとして適切なものを導入。
サポートメニューの紹介
ウイングアーク1st のサポートは、大きく分けて2つあります。
・オンボーディングプログラム:ダッシュボードのイメージを一緒に作ったり、その後の展開の方法などをご案内し、手厚くサービスします。
・ベーシックサポート:購入いただいたお客様には、無償で提供しているサポートサービスです。年間4時間までの対面サポートもついていますので、お困りのお客様は使って頂きたいと考えています。
ユーザーコミュニティ「nest」の紹介
弊社製品をご活用されている方のユーザー会があります。うちの会社では、このように使っている、もしくは、こんなテクニックを使ったらこんなことが実現しました、という例が数多くでています。弊社製品をご活用いただいている方はぜひ入会ください。
データ活用の当社事例「CSuP 」
次にウイングアーク1stで行ったデータ活用の事例をお話します。
ウイングアーク1st では、カスタマーサクセス部門自体が抱えていた課題がありました。
1.セオリーがない
カスタマーサクセスについての成功パターンがなかった。
2.リソースがない
10人強のメンバーで4桁以上のお客様にどう対応していくか。
3.顧客のターゲティング
困っているお客様を事前に察知することができず、解約が決定してしまうケースがある。
これらの課題を解決したいという思いから立ち上げたサービスがCSuPになります。
データを活用することによってカスタマーサクセスを実現したい、そんな思いから作りました。
お客様がどのくらい活用できているのか、どのくらい活用できているのか、ユーザーがどのくらいログインできているのか、困っているところがどこなのか、ということを把握することができます。
主に7つのテーマに分けて可視化しています。KPIの管理、契約の状況、利用状況、営業の部門がどのような働きかけをしたのか、早急に対応すべきお客様をリストアップすることができ、業務の効率を上げることもできました。また、これによって、お客様の満足度を上げることができました。
これは、データの可視化が目的ではなく、お客様により活用していただきたいという思いから活動しているものです。
お客様の顧客体験を重視し、お客様が持つ重要指標を改善していくことを目標にしています。
第3部 データ活用ケースに合わせたウイングアーク1st製品とジールサービスの紹介
<講師> 株式会社ジール ビジネスディベロップメント部 栗原 和音氏
ウイングアーク1st製品
ウイングアーク1stの製品は、Dr.Sum、MotionBoardの他に、SVF、SPA、DEJIRENなどありますが、このセッションでは、Dr.Sum、MotionBoardを中心にご紹介します。
データ活用の製品は、経営層から現場部門まで利用する人によって見るデータが異なっていますが、Dr.SumとMotionBoardは、それぞれの役割に合わせた多彩な集計環境を用意しています。
導入パターン
「MotionBoardとDr.Sumは何が違うのでしょうか?」、「MotionBoardとDr.Sumの両方が必要でしょうか?」といった質問をよく受けますので、3つの導入パターンにわけてご説明します。
導入パターン① MotionBoardのみ
採用されるケースとしては以下のような場合です。
・既存システムのDB上にビューやデータマートを作っても問題がない
・既存の慣れているDBを使用したい
導入パターン② Dr.Sumのみ
採用されるケースとしては以下のような場合です。
・複数の上流システムがあり、データを統合したい
・視覚的・直感的な表現よりも、明細で詳しく見ること重視
・様々な条件でデータを抽出したい
・Excelフロントで簡単に使いたい(Datalizer for Excel)
導入パターン③ MotionBoard+Dr.Sum
採用されるケースとしては以下のような場合です。
・パフォーマンス重視のため、Dr.Sumで集計処理を実行したい
・セキュリティの観点から上流システムに直接アクセスしたくない
・上流システムのパフォーマンスに影響を与えたくない
ジールの伴走型支援
お客様側の開発担当者に向けて、MotionBoard の画面構築方法、適したデータ定義の準備方法、それらの運用方法について、 2Step で支援した例をご紹介します。
Step① MotionBoard画面構築トレーニング
お客様のデータを使ったサンプル画面開発し、ハンズオントレーニングを実施します。
業務で使用できるものを利用するため実践的なトレーニングになっています。
Step② MotionBoard 画面構築 QA 対応
お客様主体で開発開始後、課題管理とQA対応を行います。
お客様の業務やデータを理解した上で、MotionBoardでの解決方法をいくつかご提案していきます。
スケジュールのイメージですが、4か月で提供した例をご紹介します。最初の1か月でトレーニング内容をすり合わせた上で実施します。下記の図の上段がお客様の作業、下段がジールの作業内容になります。トレーニングを受けた後、すぐに開発をしていただきますが、最初は週2回訪問し、サポートを厚くいたします。その後、プレ運用のころには、週1回程度の頻度で訪問し、開発を支援します。
このような伴奏型の支援をすると、お客様のプロジェクトの立ち上がりを早くし、その後のお客さ自身で、自走がしやすくなります。
トレーニングの住み分け
第二部では、ウイングアーク1stからもトレーニングのご案内をしていましたが、ジールのトレーニングとの違いを製品の軸とフェーズの軸でご説明します。
まず、製品としては、ウイングアーク1stからのトレーニングは、MotionBoard Cloudのみ提供しておりますが、ジールでは、MotionBoard Cloudに加え、オンプレのMotionBoard 、そしてDr.Sumにも対応しております。
また、フェーズとしては、ウイングアーク1stは利用開始のオンボーディングとして提供していますが、ジールでは利用開始から、開発、定着化まで支援可能です。
まとめ
本セミナーの内容はいかがでしたでしょうか。拡張し続けるシステム、社内に愛され定着するシステムにするためには、製品導入後のサポートが重要であることがわかりました。そして、ウイングアーク1stとジールは製品導入後もお客様と伴走し、データ活用を成功させた実績を持っている会社です。 もしご興味を持たれた方がいらっしゃいましたら下記までお問い合わせください。