ウイングアーク1st株式会社主催の国内最大級ビジネスカンファレンス「UpdataNOW24」が、2024年10月から11月にかけて名古屋、東京、大阪の3都市で開催されました。約50のセッションが行われ、基調講演、事例講演、有識者講演、製品・ソリューションに関する講演などが実施されました。今回も突撃隊長ウエムラがイベントに参戦しましたので当日の内容をレポートします。
概要
名称 UpdataNOW24
開催日時 【東京】10/30(水)10:00~
会場受付開始 9:00~
展示会場 11:15~18:00
参加条件 無料・事前申し込み制
主催 ウイングアーク1st株式会社
https://www.wingarc.com/updata/2024/
今年もやって参りました〜、UpdataNOW24開催。
そして今年2度目のプリンスパークタワー東京。前回は、Oracle CloudWorld Tour Tokyo 2024にてお邪魔しました。
Oracle CloudWorld Tour Tokyo 2024とイベントレポートはこちらです。
https://www.zdh.co.jp/bi-online/event-oraclecloudworldtour_tokyo20240418/
受付
きれいなお花の奥が入場エリアでした。
こちらは基調講演が始まる10時の状態です。
一般参加者の受付の列ですが、この列は左側にも続いている長い列でした。
受付は、今回のイベントのイメージ画像を際立たせるためか、若干照明が暗くなっていました。受付の背後に設置されていたイメージ画像が一段ときらびやかで、ビビットなお色味がより一層映えていました。
ここで受付あるあるをひとつ。自分の並んでいる列よりもお隣の列の方が早く進んだりしませんか。何なのでしょうね、神様のいたずらの様な状況。
今回も隣の列に並び直してみたのですが、入場パスの印刷に時間がかかり、結局、元々並んでいた列の方が早く受付が進むというね・・・(笑)
その日の帰り道にスーパーに寄りましたが、やっぱりお隣の列の方が早くレジが進むのですよ。意地でも列の並び直しはしませんでしたが、耐える訓練を強いられているようでした。
さてさて、受付が混雑していたこともあり、基調講演は少し遅れてスタートしました。
こちらは基調講演の会場です。受付同様、エネルギーがみなぎっていました。
タイムテーブル
出典:ウイングアーク1st.UpdataNOW24 タイムテーブル【東京】https://info.wingarc.com/public/application/add/46494?__CAMCID=INIMfQhNyH-133&__CAMI=3.3.0.1.dGqCOiDHFCG.hQcPgcdCdh-28&__CAMSID=hQcPgcdCdh-28&__CAMVID=dGqCOiDHFCG&_c_d=1&_ct=1730763029801&ss_ad_code=wam_tokyo_1022_offl
基調講演
今回の基調講演も、素晴らしい内容でした。わたくしが特に気になった2点を今回レポートいたします。
AIには「生成型」と「認識型」の2種類が存在している
ウイングアーク1st株式会社 代表取締役 社長執行役員CEO 田中 潤氏のお話しでは、
生成AIは使いたいけど、業務に適用しにくい現実が存在するというお話がありました。
その理由は、AIには2種類の概念、「生成型」と「認識型」が存在しているからなのだそうです。
1⃣生成型AI
テキスト生成、RAG、映像、音声、画像生成などが当てはまり、ある程度まで生成してくれたら、後は自分でカスタマイズして完成できてしまいます。しかし結果が不定のため、組織業務への展開が難しく、実装難易度を見誤りやすいのだそうです。
2⃣認識型AI
映像改正、画像解析、データ解析などが当てはまり、人をアシストするユースケースが多く業務利用しやすいそうです。認識型は、組織的な業務オペレーションが回っていく過程で力を発揮する存在だそうです。
そこでどんな生成AIを使えばよいのかという問題が挙がり、生成型と認識型を使い分けが業務適用の壁だと仰っていました。それらを解決するのがウイングアークのdejirenだそうです。dejirenはバーチャルアシスタントによって複数のAIを使いこなし、社内のアプリケーションを自動的に回すことができるのだそうです。
また、MotionBoard re:Actの発表もありました。こちらは生成AIを組み込んだ機能だそうで2024年の12月にプレビュー版がスタートするとのことでした。とても興味深いお話しでした。
TeamsのミーティングにCopilot機能が搭載/最新の生成AIによるビデオ翻訳技術
その他、日本マイクロソフト株式会社 技術統括室 執行役員常務 CTO 野嵜 弘倫 氏の講演では、Teamsでミーティングをする際、Copilotがモデレーターを行い、さらにはタスクをアサインするというアシスタント機能が、今後リリースされるというご紹介もありました。とても楽しみです。
また、最新の生成AI技術ということでビデオ翻訳技術のデモがありました。登壇者が日本語で数秒のプレゼンをしただけで、その短い動画から様々な言語に翻訳し、その登壇者の音声のまま音声変換ができるという機能の紹介でした。
変換された言語の音声は、文法やイントネーションに至るまで、ネイティブの方が聞いても完璧なビデオ翻訳だということでした。もはや、世界の共通語は英語であるという認識は、AIの進化により大きな変革の時期に差し掛かっているのかもしれないと、講演を聞いて思いました。
ランチセッション
基調講演が終わり、ランチセッション会場へ向かいました。
12:00-12:30【2025年、MotionBoard、Dr.Sum、Dataringはどう進化する?生成AIの実装からデータカタログまで、開発責任者徹底トークバトル】
本セッションは、DataEmpowerment事業における主要製品の事業・開発責任者が一堂に会し、待望の次世代MotionBoard、Dr.Sum Ver.6.0の最新情報、そして個々の製品の進化の
先にある融合によりもたらされる新しいデータ活用の未来への一歩を“製品自慢バトル&即興デモ”形式でお届けします。
出典:ウイングアーク1st.UpdataNOW24 タイムテーブル【東京】|「2025年、MotionBoard、Dr.Sum、Dataringはどう進化する?生成AIの実装からデータカタログまで、開発責任者徹底トークバトル」講演資料
こちらのセッションは非常に楽しい企画でした。次世代MotionBoard、Dr.Sum、データカタログのセールスポイントを「これでもかー」と自慢し合い、それを聴講者が人気投票するというスタイルなのですが、それぞれの製品の概要から使い方のデモまで披露されていて、ただでさえ興味深い企画ですのに、聴いているだけで勉強になるという素晴らしい時間でした。
わたくしはDr.Sumに1票を投じました。その理由は、Dr.SumのSQLのAI機能に、SQLのコードをAIが修正してくれるというサービスが搭載されているということに心が動いたからです。
投票方法はステージに投影されたQRコードを携帯で読み込む方式でした。以下の画像は携帯の投票画面です。左は投票画面で、右は投票後の画面です。
そして気になる投票結果は・・・どぅるるるる〜、じゃん。
Dr.Sum 39%で堂々の1位。
2位は31%で全部!。
3位は18%でMotionBoard。
4位は12%でデータカタログでした。
13:00 – 13:40【自由な発想で未来を探索する町工場の試行錯誤】
本セッションでは、町工場に生まれた製造業の女性経営者2人が登壇されしました。それぞれの家業を継がねばならない宿命を受け入れながらも、渦巻く葛藤と闘い、自らのアイデアを独自の発想で突き進んだ「再建への道」を語るセッションでした。「もう、いっそのことドラマにしてー!」と感じるほど胸が熱くなり、勇気をいただきました。
セッションの中で特に心に響いたことばをご紹介します。それは社員教育で取り入れたという「傾聴と変容」についてのお話です。傾聴は、相手の意見を聴いて理解すること。そして変容は、英語で「transformation」です。
相手の意見を聴いて理解し、自分との意見の違いを受け止め、さらにそこから新しい発想が生まれるかもしれない、自分の内面が変化するきっかけを含むものだということをお話しされていました。あぁ、良いこと聞いたなぁと、すとーんと腹落ちしました。
感動の余韻に浸ったまま、ジールのセッション会場へ向かいました。
ジールセッション
静岡銀行講演:新営業支援システム「S-CRM」構築と共に、計数情報の可視化に向けMotionBoardを導入。情報の可視化と分析・予測の高度化を実現
※講演内容はジール部分を要約しております。
出典:ウイングアーク1st.UpdataNOW24 タイムテーブル【東京】|.ジール 鈴木 岳海 氏
出典:ウイングアーク1st.UpdataNOW24.「静岡銀行講演:新営業支援システム「S-CRM」構築と共に、計数情報の可視化に向けMotionBoardを導入。情報の可視化と分析・予測の高度化を実現」講演資料
本セッションはジール鈴木さんが講演した内容です。静岡銀行様の新営業支援システム「S-CRM」構築と共に、計数情報の可視化に向けMotionBoardを導入し、情報の可視化と分析・予測の高度化を実現した事例についての講演になります。
※講演内容はジール部分を要約しております。
出典:ウイングアーク1st.UpdataNOW24|.ジール 鈴木 岳海.講演資料
今回の静岡銀行様へのジールの支援概要は、シュミレーション機能の追加開発です。企業の営業活動や業務の採算性を表す比率である、様々な係数管理における、実績の把握や予測、比較を行う画面の実装を、Snowflakeで統合および集計する仕組みを構築しました。また、ダッシュボード画面の構築時には、MotionBoardの特徴である入力機能を最大限に生かすために、現場の行員の方の入力方法を把握し、必要な情報をダッシュボード画面に表示できるように開発したとのことです。
開発にあたり、静岡銀行様から事前にExcelで画面のイメージや実現したい機能など、構成案をご提供いただきプロジェクトを進行したとのことです。この部分をメールなどドキュメントベースで行った場合、認識の齟齬が発生しやすく、イメージの違いなどにギャップが出てしまうそうです。
その点、本プロジェクトでは、MotionBoardで実装した画面を初期段階で開発し、静岡銀行様に見て触れていただき、気になる点があればその都度変更を行うアジャイル型の開発を行った結果、理解の不一致を見事回避し、とても円滑な開発に成功したとのことでした。
静岡銀行様は、2023年から2027年までの第1次中期経営計画「Xover〜新時代を拓く」を策定され、この計画では、2030年までに全てのステークホルダーの持続可能性と幸福度の向上を目指しているそうです。
計画の主要な特徴としては、次のことがあげられます。
●基本戦略:「トランスフォーメーション戦略」を掲げ、4つの領域(タッチポイントX、営業X、人財X、経費X)でDXを推進。
●営業DXの取り組み:データ活用基盤「S-hare(エスハレ)」の構築(2022年)
新営業支援システム「S-CRM(スクラム)」の開発と運用開始(2023年1月)
●S-CRMの導入効果:営業支援システムの統合、営業拠点、本部、グループ間の情報共有の改善
●ペーパレス化による業務効率化
合わせて、静岡銀行様は今後の課題として、様々な計数情報の可視化と管理業務のさらなる効率化・高度化の実現を目指しているとのことでした。
やはり、開発を進めていくための細やかなコミュニケーションは、お互いのスムーズなコンセンサスという点においても重要な要素だと改めて感じたジールセッションでした。
▼静岡銀行様の事例については、下記にも詳細を掲載しておりますので、ぜひご覧いただけますと幸いです。
【株式会社静岡銀行様の事例】ジールのサポートにより金融DXを加速
機能強化されたMotionBoardの活用で営業活動の効率化と高度化を達成
https://www.zdh.co.jp/customer/shizuokabank/
お昼
ランチセッションを聞きながらお昼をいただきました。まい泉の鮭が入った美味しいお弁当でした。
会場
色々なセッションを立て続けに聴講したので、すっかり展示会場入りが遅くなってしまいました。こちらは会場入り口付近の様子です。絨毯の色とも相まって、とてもきらびやかな会場でした。
今回は「未来試行」をテーマにした、データ活用とビジネスのアップデートに焦点を当てた大規模なカンファレンスです。生成AIやDXなど、最新のテクノロジートレンドの紹介や、それらを活用したビジネス変革の可能性について、各社デモや解説をされていました。
会場の一角には、有吉AIコンシェルジュが鎮座しておりました。
何?何?と早速試してみました。
モニターの下にカメラがついており、こちらに受付用QRコードをかざすと本人確認が行われます。ここで企業の認識をし、興味がある分野の確認のメッセージが表示されます。
続いて、本イベントでのおススメのセッションを3つほど紹介してくれました。
この選択を、カメラに向かって番号を指で表現しても読み取ってくれるということなので、試しに「1」と人差し指を立ててカメラに写してみました。
ご機嫌斜めだったようで認識できませんでしたが、上手く行くと読み取ってくれるそうです。
会場を歩いていると、マッサージコーナーもありました。
5分ほど、肩をマッサージしていただきました。
こちらのマッサージの方は、今回のイベントに参加している企業の福利厚生で契約している機関だそうで、イベントがあるからとお声がかかったそうです。
「宣伝にはもってこいの場所ですが、チラシの配布はされないのですか?」と伺ってみたところ、「急いでいたため、忘れてしまったのですよ…」と残念なご様子でした。
麻布でお店をされているとのことでしたが、お店の名前をわたくしも聞きそびれてしまいました。
こちらはスタンプラリーと早期申し込み者の引き換えエリアです。どちらもとても混雑していました。
ジールブース
ジールの講演前にチラッと見に行きました。参加されているみなさまは、足早に次の講演場所に向かわれ、ジールブースへのお立ち寄りは少ないかなと感じました。ところが、講演後に再訪してみたら、多くのお客様がいらっしゃったのでスタッフも忙しそうでした。
みなさま、ご興味を持ってお立ち寄りくださりどうもありがとうございました。ジールスタッフ一同、心より感謝申し上げます。
本日いただいたもの
早期申し込み者への特典として、謎のうなぎ丼が配布されました。スタンプラリーでは、今回のイベントオリジナルの飴ちゃんをいただきました。可愛すぎていただくのが勿体ないほどです。
各企業のみなさま、どうもありがとうございました。
感想
今回もとても充実したイベントに参加することができ、ホクホクしながら帰路につきました。色々お話を伺った中でも、特にDr.SumのSQLのAI機能に興味津々でした。
この機能は、他の方が作成したSQL文を解明してくれたり、パフォーマンスを向上させるSQLを提示してくれたり、誤ったSQLの構文の箇所を指摘してくれたりするそうです。
その他、MotionBoard re:Ac のデモも見せていただいたことも、とても貴重な経験でした。
こちらはMotionBoardに生成AIを組み込んだ機能で、従来のMotionBoardの強力なデータ分析・可視化機能を維持しつつ、最新のWeb技術を活用してフローを組み立てながらユーザー体験の向上と開発の効率化を実現させた製品だそうです。2024年の12月にプレビュー版がスタートしたとのことなので、いつか「使ってみましたシリーズ」でも体験したいなと思いました。