公開日:2021年7月1日

更新日:2024年1月23日

ー前編ー

 

自己紹介

株式会社成田デンタルにて、歯医者さんと差し歯や入れ歯を作る技工所をつなぐコンサルティング会社にお勤めの吉原大騎さんです。営業を6年経験したのち、現在はMotionBoardを活用して画面作成、ラインワークス、サイボウズで日誌管理などを行い、歯医者に訪問している営業への支援・マーケティングを行っています。

コンビニより多い歯科医院の数

歯医者さんはコンビニより多いのですが、日本人は定期健診などでも歯医者へ行く習慣が薄いと言われています。それでも最近は、歯列矯正などのブームがあり、徐々に歯に対する意識が変わってきている様です。患者さんの診察記録は必ず保管する必要がありますが、データベース化して管理するというよりも、まだまだ紙の文化が根強く残っています。

栗原:東日本大震災でたくさんの方が亡くなられました。身元確認の際に、歯の治療データを照合したというニュースが報道されカルテを電子化する必要があると話題になりました。

吉原:実際カルテの問題は、医療機関―自身の病院から国に保険点数を請求します。その際、レセプトコンピュータでの電子化が義務とされています。カルテの電子化というのは、実際進んではいますが、入力しなければならないので、義務感につながっているようで、代理の人を雇ってパソコンに入力してもらっているケースもあるようです。

カルテに魂を込めるというか、感情も一緒に記録しておくことで治療当時の背景も思い出せます。そういった面をコンピュータで入力しきれないので、手書きにこだわりを持つ方もいらっしゃいます。

歯科医院では、なぜデータ化が進まないのか

Q、データの分析が進んでいないと感じられるのは、どんな時ですか?

A、レセプトコンピュータはソフトを使います。データ分析の機能もありますが、使われない場合もあります。日々の診療などでお忙しい先生が多く、治療中は患者さんの口元を見続けるので目が疲れてしまうそうです。そのためお昼寝される先生もいらっしゃいます。それ以外にも、材料の注文、従業員の給料計算などもありデータ分析は後回しになってしまいます。

MotionBoardの営業活動

MotionBoard画面構築と分析を両方担当しながら営業さんに向けて、自社の納品書データを分析し、現状のトレンド状況を反映した営業活動を行っています。またMotionBoardからラインワークスで営業関連の興味がありそうなデータを、プッシュ配信しています。


ー後編ー

MotionBoardの導入のきっかけ

いろいろ選定した結果MotionBoardを導入しました。決め手は、MotionBoardの機能面の充実、スモールスタートを考えていたので他のツールよりも価格を抑えられそうであったためです。はじめはどんなデータを表現したらよいのか迷っていましたが、今までできなかった商品分類別の分析ボードを全社に展開したところ反応があり、一気に浸透していきました。そこから、色々なご意見を頂きつつ、また自身の営業経験から、求められるデータが何かがわかってきました。

社内で周知されてきたのをきっかけに、地図データ活用した新しい画面開発に取り組んでおります。取引のある歯科医院さんの位置をプロットしたり、ルート営業の順番を地図上に落とし込んだりしています。具体的には、スマホのGPS機能と連動させて、営業が営業所からその日回ったルートの位置情報をデータ化して表示します。その結果、未開拓のエリアを発見することができます。地図表示を社内で公開した時の反応は、最初は薄かったのですが、現場との対話をしながら深掘りして行くと色々使えることがわかりました。

現状の歯科技工について

歯医者さんが銀歯を入れる際に、ピンク色のひんやりした物(アルジネート)で歯の形を取り、固まった型に石膏を流します。石膏が固まった歯型模型を元に、歯科技工士さんが金属鋳造して銀歯が完成します。しかしながら、アルジネートや石膏は水と粉を混ぜて作りますが、この割合によって誤差が生じたり、金属鋳造によっても誤差が生じることがあり、場合によっては口の中で合わないことがあったりします。

その場合、技工士さんが再度作り直しを無償で行わなければなりません。この一連の流れはまさにアナログであり、歯科業界の働き方の問題点と考えられます。アナログをデジタルに、患者さんの歯型模型から口腔内データとして置き換える必要性が課題として上がっています。その解決手段が口腔内スキャナーです。

口腔内スキャナーのデータ化が、未来を変える

口腔内スキャナーは先端にカメラが付いていて、スキャニングによって歯の大きさや形、嚙み合わせをデータとして収集できます。このスキャナーにより、患者さんの負担が減りますし、データ化されることによって歯科技工士さんが手作業で行っていた作業はコンピュータ上で行われるため働き方も改善されます。歯科技工士さんは国家資格を持ち、差し歯や入れ歯を作ります。
歯科技工士の総数は約4万人ですが、高齢化が進んでいます。将来、歯科技工士が不足すると、差し歯や入れ歯を作る人が少なくなります。そのためにもデータ化は重要で、データ化が進むことにより少人数の歯科技工士さんで、差し歯や入れ歯の大量生産も可能になります。


デジタル化に伴う働き方について

一般的に工場勤務の方や、製造業の方、医療関係の方は、リモートワークが難しいと思いますが、その中でもデータ化することにより、現場にいなくても作業が進み楽になると思います。今でこそオンライン診断が進んできましたが、歯科業界でもオンラインで相談できる窓口があると、働き方も変わってくると思います。


最後に皆さんへ

虫歯になる前に、予防歯科を!定期的に歯医者さんに行きましょう!これが私からのメッセージです。

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