このコラムは、Voicy をテキスト化し一部抜粋したものです。ご聴講はこちらをクリックください。
Voicyパーソナリティのわおんによる、第38回のひとり回テキスト化です。
「DX」と「IT化」
タイトルの「DX」と「IT化」は同じ意味なのか?についてです。
なぜこのタイトルにしたかというと、社会学者の古市さんがこのような記事を週刊新潮に上げられていました。少し内容をご紹介します。
記事抜粋
DXという言葉が流行している。
DXとはこの場合、豪華・デラックスという意味ではなく、デジタルトランスフォーメーションの推進論者によって定義は違うが、要はデジタル化を進めていきましょうという話だ。
少し前までITから情報革命という言葉で語られてきた内容と大差がない。
こんな風にまとめるとDX推進論者は起こるはずだ。
おそらく彼らはこんな反論するだろう。
DXと単なるデジタル化やIT化は違う。
DXとは単なる技術革新を察した言葉ではない。
IT技術を使って企業のあり方やマインド、人々の生活スタイルまでを変えようとするのがDXなのである。
こんな感じで話が続いているのですが、皆さんここまで聞いてどんな風に感じられたでしょうか?
とても共感したという方もいらっしゃると思います。
DXと言っているけど、IT化と同じなのかなという気持ちも分かります。
この二つが目指していることは、本当はたいして変わりはないといます。
同じ方向性でいながら、言葉を変えて強調されているということは、IT化が進んでいないから、もしくは本当の意味が伝わっていないからに他ならないと思いました。
短絡的なICT化
私の教師時代の話です。
ICT化という言葉がよく言われていて、何かを取り組まなければならない状況でした。
すると何が起きたかというと、パワーポイントとプロジェクターを使って授業する先生が増えました。
何もやらないよりはずっと良いとは思いますが、
何のためにパワーポイントとプロジェクターを使っているのか?
プロジェクターを使った効果は何か?という点を考えずに始まった気がしました。
例えば学生の頃に授業を聞くときにノートを取りながら、先生の話も聞くという事がとても大変でした。
授業が終わった後ノートは取れたけれど、授業の内容はたいして頭に入ってないと思うことが多かった気がします。
そんな時、地理の授業で隣に座っていた友達がほとんどノートを取らず、
頷きながら聴いていることに気がつきました。その友達は地理の点数がとても良かったです。
もしかしたらノートを取らずに授業を聞いたほうが頭に入るかなと思いました。
先ほどの、プロジェクターとパワーポイントの話に戻りますが、
スライドをあらかじめ生徒に配った状態で授業をすることによって、
生徒がノートをとるという作業を減らして話を聞くことに集中できる環境を作る、
もしくは同じ教科の若い先生にベテランの先生の授業の教材を共有しやすくなる、
もしくは他校の先生へ教材を共有しやすくなるというようなメリットを狙って、
パワーポイントやプロジェクターを使うというのであれば、意味があったのかもしれないと思いました。
言葉の変化
先ほどのプロジェクターとパワーポイントの話に戻ります。
スライドをあらかじめ生徒に配った状態で授業をすることによって、
生徒がノートをとるという作業を減らして話を聞くことに集中できる環境を作る、
もしくは同じ教科の若い先生にベテランの先生の授業の教材を共有しやすくなる、
もしくは他校の先生へ教材を共有しやすくなるというようなメリットを狙って、
パワーポイントやプロジェクターを使うというのであれば、意味があったのかもしれないと思いました。
古市さんの記事の中で、DXという言葉が出てきますが、
これは昔から言われていたことだという話があります。
言葉を変えてIT化ではなく、DXという言葉で言われているということは、
「単にデジタル技術を使って効率化することが目的ではなく、その分、人が幸せに働き、
空いた時間をもっと創造的な時間に使うことが目的」であることを再認識してもらうために、
この言葉を使っていると思いました。
では実際DXという言葉が言われるようになり、「DXとは何か?」「DXをどう説明するのか?」
と疑問に思われた方もいらっしゃると思います。
DXという言葉を使えば意味が伝わるかというと、簡単ではないのが課題だと思います。
「DXって、つまり今までのIT化と同じなのか?」と皆さん感じたと思います。
実際に私が今まで多くの方にDXについてインタビューしてきましたが、
IT化とDXの言葉の違いとして大きく感じることは、
DXは“幸せ”という言葉とセットで語られることが多い気がします。
皆さんはDXとIT化という言葉の違いを、どの様に捉えていらっしゃるでしょうか?
感想やご意見もお待ちしています。