公開日:2023年2月1日

更新日:2023年2月1日

このコラムは、Voicy をテキスト化し一部抜粋したものです。
Voicyパーソナリティのわおんによる、第37回ひとり回のテキスト化です。

 

データ活用、その切り口

国際政治学者の三浦瑠璃さんという方をご存知でしょうか?
ウイングアーク1st株式会社という会社が年に一度行っている【updataNOW】というイベントが今年も行われ、今年は三浦瑠璃さんが登壇されていました。
その中で、三浦瑠璃さんが「人はみたいデータしか見ない」とおっしゃっていたので、その話をしてみたいと思います。

データ活用しているとどんなデータを使うか、どんな切り口で見るか、ということを考える必要があります。

・年代別にみると傾向が見られるかもしれない。

・性別で見ると何か傾向をつかめるかもしれない。

・地域別にみると何か傾向をつかめるかもしれない。

という様になんとなく切り口が思い浮かぶことがあります。

しかしその根拠は?というと、元々何となく分かっているのでデータの切り口が想像できるわけです。
例えばあるお菓子があり、このお菓子の購買状況を、年代、性別、地域で考えるとすると切り口も見えてきます。

 

「おむつとビール」の相関関係

ひとつ有名な話に、「おむつとビール」という話があります。
1990年代から2000年代初めにかけてメディアや講演よく語られていたそうで、スーパーマーケットで「おむつとビール」を一緒に買うお客様が多い傾向にあるというのが判明した話です。
子供のいる家庭では母親は紙おむつを買うことを父親に頼み、お店に買い物に来た父親はおむつを買うついでに缶ビールも購入していたそうです。

そのデータをひも解くと、おむつとビールというのは本来スーパーマーケットでは離れた場所に陳列されています。
そこで二つを隣同士に陳列したところ、売り上げが上昇したという有名な話があります。
ここでオムツを買う人はビールも買っているっていうのはなかなか思いつかない発想ですが、このデータを活用する上で最近はAIを使うことに、より人が気づかない相関関係に気づくことができるようになりました。

三浦瑠璃さんが「人はみたいデータしか見ない」とおっしゃっていたのを聞いて、そうなんだよなと本当はみたいデータを見るが、あまり見えてない、気づいてないデータがあって、それを危惧している方もいるのでAIを使いたいという人が多いのだろうなと思いました。

 

三浦瑠璃さんの講演内容

【updataNOW 2020】での三浦瑠璃さんは、コロナに関するデータを経済的な切り口から講演されていました。
講演では、コロナの緊急事態宣言中の日本人の意識調査のレーダーを元にお話しされています。

緊急事態宣言中の外食についてのアンケート結果から、ほとんど外食しなかったという方の割合が88.5%。
一方、緊急事態宣言解除後の会食について、まだ積極的に外食に出かけるべきではないと思うと答えた方が37.6%。
要は三人に、一人以上は緊急事態宣言が解除されたにもかかわらず、まだ積極的に外食にやってかけるべきではないと答えたそうです。
そもそも緊急事態宣言って強制ではないのに、緊急事態宣言中88.5%の方がほとんど外食をせず、解除されたとしても、37.6%の方はまだあまり外食をしていなかったということでした。

さて、このデータについて、皆さんはどう思われるでしょうか?

「日本人はなんて堅実なんだ」という解釈もできるかと思います。
ここでの三浦さんの意見は、日本人はコロナに感染して亡くなる方よりも、経済の落ち込みによって自殺で亡くなる人が増えるのではないか、というリスクについて語られていました。

同じデータを見てもデータから何を読み取りたいか、どんなアクションを取るか、最終的には人間次第だと思いました。
人は見たいデータしか見ないという話もありますし、同じデータを見ても見方によってどう解釈するかは一つではない、という話と両方あるかと思います。

 

さいごに

人は見たいデータしか見ないのは「こんな風に捉えたい」という願望が、あらかじめ決まっていることだと思います。
それによって、見落としてしまうこともあるかもしれませんが、ある意味自分はこういう主張がしたい、例えば上司を説得したい、お客さんを貸したい、というように言いたいことが決まった上で、どのデータを使うのか、どういう切り口でデータを表示するのかを決めることは大事なことだと思いました。

最近はAIを使ったデータ分析って増えてきていますが、AIを頼りすぎることなく自分で考えながらデータ分析をしていくことも大事ですね。
見たいデータしか見ないというのは、本来見るべきものを見落とす可能性がある一方、自分で伝えたいデータの表現方法を考えることを考えました。

三浦瑠璃さんの山猫総合研究所のアンケート結果もリンクを貼っておきますので、もし気になるという方はこちらのリンクも確認してみてください。

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