公開日:2023年9月15日

更新日:2023年9月15日

本記事は、弊社社員がパーソナリティを務める音声メディアVoicy 「わおんDX 気ままにインタビュー」にて、株式会社プランノーツ(以下、「プランノーツ」)代表、ノンプログラマー協会代表理事の高橋宣成さんへ4回に分けてインタビューさせていただいた第1回目の内容をもとに作成しています。
スピード化や効率化が求められている中で注目されているノンプログラミングですが、もともとエンジニアではなかった高橋さんが、ノンプログラマー向けのITスキルアップ支援事業を立ち上げたのはなぜかをご紹介します。

高橋宣成さんへのインタビュー:全4回

第1回目:ノンプログラマー向けのITスキルアップ支援を始めた理由
第2回目:GIVEすることが自分の学びになることを体験できるコミュニティ
第3回目:独学の大変さがわかるからこそ次の人には簡単な道を伝えたい
第4回目:ドキドキする越境学習で冒険する心を育む

高橋宣成さん:プロフィールと経歴

電気通信大学大学院電子情報学研究科修了後、サックスプレイヤーとして活動。日本におけるビジネスマンの働き方、生産性、IT活用などに課題を感じ、20156月に独立、起業。現在「日本の『働く』の価値を高める」をテーマに、ノンプログラマー向けデジタルリスキリング支援、組織のDX推進・越境学習支援、コミュニティ運営などを行う。コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」主宰。Voicy「『働く』の価値を上げるスキルアップラジオ」パーソナリティ。NewsPicksプロピッカー。東京工芸大学大学院非常勤講師。自著に「デジタルリスキリング入門」「ExcelVBAを実務で使い倒す技術」「詳解!GoogleAppsScript完全入門」「パーフェクトExcelVBA」「Pythonプログラミング完全入門」。

高橋さんのブログ
https://tonari-it.com

 

プログラマーとノンプログラマーの違い

—プランノーツと、ノンプログラマー協会の主要事業を教えてください。

高橋さん:ブランノーツ、ノンプログラマー協会はいずれも「ノンプラグラマー」、いわゆるプログラミングを本職にしてないビジネスパーソンを対象に、プログラミングやITスキルアップの支援を主軸事業としています。

—プログラマーとノンプログラマーはどちらも「プログラミング」業務をされると思いますが、スキルや環境の違いを教えてください。

高橋さん:プログラマー職の方は、当然プログラミングを学んでいますのでスキルをお持ちです。また、日々の実務の中でプログラミングに触れ学びをアップデートする機会があります。
一方、例えば、事務職、営業、マーケターの方などノンプログラマー職の方も業務の中でプログラミングスキルを必要とするケースが多々あります。ですが、ノンプログラマー職の方は、プログラミングを学んではいないですし、実務や学びの優先度も他にあるため、プログラミングのための学習時間の確保は容易ではありません。

—そこで、「ノンプログラマー」向けのITスキルアップ支援事業を立ち上げられたのですね。

高橋さん:はい。ただ、そこに至るには私自身のバックグラウンドや経験も大きく影響していますので、まずはそこからお話をさせてください。

就職氷河期世代が欲したプログラミングによる業務改善

高橋さん:私は「団塊ジュニア」と呼ばれる世代で、子どもの頃は「サラリーマンは一生安泰」と教えられてきた世代です。そして「就職氷河期世代」でもあります。実際に大人になった私が経験したサラリーマンは、バブル経済崩壊をはじめとした金融危機のあおりをまともに受け、夜遅くまで残業をして働いても給料があがることも期待できず、だからといって雇用の選択肢も少ない時代でした。
ブラック企業と言われるような企業も多くあり、私自身は30代後半まで複数のIT企業で、いわゆるノンプログラマーの領域で働いていましたが、子どもの頃に教えられたサラリーマンとしての理想の働き方や幸せを感じることはありませんでした。人生100年時代を見据えれば、70代、80代まで働く人生を考えなければいけません。
30代後半の当時、「このままで本当に幸せになれるのか」と働き方に危機感と疑問を抱くようになりました。そんな体力的・精神的にも高ストレスな環境の中、そして、この先の未来までも考えていたとき、「プログラミング」に出会いました。プログラミングにより、例えばこれまで5日間、しかも複数のメンバーで辟易しながら作業していたExcel業務が、プログラミングで自動化ツールを作ってしまうと作業時間が10分になりました。これは大きな衝撃でした。

—その経験が現在の活動の原点にあるのですね。

高橋さん:毎日の業務の中にはプログラミングで自動化できるものがいくつもありましたので、独学で勉強をし、それを活かして複数の業務を自動化し成果も出すことができました。
そして、「この会社だけではなく、ほかの会社でも同じように疑問を感じたり危機感を抱いたりするような状況なのではないか」と思うようになりました。自分の会社以外のさまざまな会社で働く方々にも同じような成果を提供できるのではないかと思い、起業しました。

必ず楽になれるのに、はだかる「気持ちの壁」

—起業、そしてITスキルアップ支援をされているなかで感じていることを教えてください。

高橋さん:私が起業したのは2015年です。最初の2年はBtoB向けのITツールの開発を主軸にスキルアップ研修などの事業を行っていました。主軸としていたITツールの提案活動ですが、実は営業は簡単だろうと考えていました。
理由は、この事業の根本は私自身の経験そのもので、ツールの開発費用と人件費・生産性を考慮すれば必ずツール開発が選ばれると考えていたからです。しかし、営業提案が通らない、そもそも聞く耳を持っていただけないことが多かったのです。
それはなぜか。私の考えですが、「変わりたくない性質」というものがそれらの企業において根本にあったのではないかと思っています。「ツールを活用すれば、5日間・複数人の作業が10分になります」とお伝えしても、そもそも想像ができないから信用されない、あるいは、これまで行ってきた業務を変えるということがこれまでを否定することと感じる方もいるので受け入れられないのです。

—単に「業務効率化」だけでは超えられない、「気持ちの壁」のようなものを感じたのでしょうか。 

高橋さん:はい、まさにそうです。この経験はビジネス活動に対する大きな課題となりました。世の中は変わっていかなければいけない、気持ちの壁、心を変えていかなければいけない、そう思ったのです。

全4回中の第2回目へ続く

高橋宣成さんへのインタビュー:全4回

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