公開日:2023年9月16日

更新日:2023年9月16日

本記事は、弊社社員がパーソナリティを務める音声メディアVoicy 「わおんDX 気ままにインタビュー」にて、株式会社プランノーツ(以下、「プランノーツ」)代表、ノンプログラマー協会代表理事の高橋宣成さんへ4回に分けてインタビューさせていただいた第2回目の内容をもとに作成しています。
2回目は、ITスキルを習得するには単発で講座を受講するのではなく、200300時間の学習時間が必要であることに気づき、高橋さんがコミュニティを創設されたお話をご紹介します。

高橋宣成さんへのインタビュー:全4回

第1回目:ノンプログラマー向けのITスキルアップ支援を始めた理由
第2回目:GIVEすることが自分の学びになることを体験できるコミュニティ
第3回目:独学の大変さがわかるからこそ次の人には簡単な道を伝えたい
第4回目:ドキドキする越境学習で冒険する心を育む

高橋宣成さん:プロフィールと経歴

電気通信大学大学院電子情報学研究科修了後、サックスプレイヤーとして活動。日本におけるビジネスマンの働き方、生産性、IT活用などに課題を感じ、20156月に独立、起業。現在「日本の『働く』の価値を高める」をテーマに、ノンプログラマー向けデジタルリスキリング支援、組織のDX推進・越境学習支援、コミュニティ運営などを行う。コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」主宰。Voicy「『働く』の価値を上げるスキルアップラジオ」パーソナリティ。NewsPicksプロピッカー。東京工芸大学大学院非常勤講師。自著に「デジタルリスキリング入門」「ExcelVBAを実務で使い倒す技術」「詳解!GoogleAppsScript完全入門」「パーフェクトExcelVBA」「Pythonプログラミング完全入門」。

高橋さんのブログ
https://tonari-it.com

業務の効率化の支援ツールについて

—業務の効率化やITスキルアップの支援をされてきた高橋さんですが、具体的に活用したツールがあれば教えてください。 

高橋さん: 業務効率化のツールとしては、VBA(Visual Basic for Applications)とGoogle Apps Scriptという二つのプログラム言語を活用することが多かったです。Microsoft をオフィスツールとして導入しているか、Googleをオフィスツールとして導入しているかにより二つのツールを使い分けます。
VBAはMicrosoft ExcelをはじめとするマイクロソフトのOfficeシリーズのソフトウエアを自動化するのが得意な言語です。集計や加工作業を自動化するので、マイクロソフトをオフィスツールとして導入している企業が対象になります。
一方で、GoogleのオフィスツールであるGoogle Workspaceを導入している企業にはGoogleが提供しているGoogle Apps Scriptを利用します。

「気持ちの壁」の突破から、個人向けコミュニティ立ち上げへ

—第1回目のインタビューの最後に「単に『業務効率化』だけでは超えられない、『気持ちの壁』のようなものを感じたというお話を伺いましたが、どのように対応されたかを教えてください。

高橋さん:業務効率化のためのITツールを企業へ向けて提案しましたが、費用対効果を訴求するだけでは自分の提案がなかなか通らず、変わりたくないという気持ちの壁を感じたわけですが、この壁を崩すには企業の方針やマインドを変える必要があります。
そのためには、キーマンへのアプローチがポイントでもあり効果的ですが、時間やリソースがかかるため簡単なことではありません。ましてや、小規模のツールの開発でしたので、売り上げも厳しかったです。そこで、企業へ向けての提案から個人へ向けての活動へと方向転換をしました。
個人的に勉強して自分でツールを作って活用している意識の高い方は結構いらっしゃいますので、このような方々をエンパワーメントしようと考えたのです。最初は個人向けの講座を一回5,000円程度の受講料で開講しました。
それなりに受講いただいていましたが、単発の講座でしたので、その後会社で活用できているのか、学習を続けられているかを把握できず、また、これは推測ですが、学んだことが無駄になってしまっているのではないかと感じていました。

—学んだことが無駄になっていると感じたのはなぜですか。

高橋さん:プログラミングはそれなりの学習時間が必要になるからです。初心者が学び始めて実務に使えるレベルになるまで、一般的に200~300時間の学習が必要と言われています。ある程度時間を重ねなければなりません。

—1日に5時間勉強したとして、2か月~3ヵ月間は勉強が必要になるのですね。

高橋さん:そうですね。重要なのは継続することで、単発の講座を受講しても、それ以外に自分で勉強する時間も必要になりますが、わからない時に誰にも聞けず解決するのに時間かかり、挫折してしまうことが結構あります。
ノンプログラマー向けのプログラミング教育においては単発の講座は限界があり、継続的に誰かのサポートが必要だと考えました。そこでコミュニティを作りました。わからない時に誰かに聞くことができ、また、他の人も一緒に勉強しているので、頑張ろう!という気持ちにもなります。
そういう環境を作れば、最初の200~300時間の学習時間をクリアできると考えました。自分が全員のメンターとして支援するのはリソース的にも難しい点もありましたので、コミュニティの中でお互いに教え合うことを推奨しました。私がアドバイスをすることも当然ありますが、なるべくやりすぎないように、コミュニティのメンバー同士で進めてもらっています。教えられる側が問題を解決できると同時に、教える側も伝え方を考えるようになり勉強になります。
また、このやり取りを見ているメンバーも勉強になります。コミュニティという方法は、ノンプログラマーのプログラミングの学びにマッチすると感じています。コミュニティ設立から4年が経過し、メンバーは200人に増えました。みなさん、本当にアクティブに活動されていて、感動するぐらいに目を見張る成長をされています。

GIVEすることが自分の学びになることを体験できるコミュニティ

—みなさんの成長に関する具体的な感動エピソードを教えてください。

高橋さん:初心者のみなさんが周りのメンバーにサポートされ成長し、いつしかコミュニティの中で講師になるほどステップアップしています。講師をするのには勇気がいりますが、見事にその壁を乗り越えやり遂げる姿には感動します。
200人のメンバーのみなさんは、会費を納めて何かを得たいからコミュニティに参加されているのですが、習得する方法が誰かへの支援の「GIVE」という事に気づいて行動に移されています。
GIVEしたものがまわりまわって自分に返ってくる、正に「GIVEすることが自分の学び」に繋がるコミュニティで、本当に素晴らしいと思っています。もともとそういうところを狙ったわけではないのですが、実際やってみたら結果としてコミュニティがGIVEによって形成されてきたので、立ち上げてよかったなと思っています。

全4回中の第3回目へ続く

高橋宣成さんへのインタビュー:全4回

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