「リーディングカンパニーと挑戦を」とは
先進的なデータ活用技術でこの分野を牽引してきたジールは、日本のリーディングカンパニーと、どのような成長を描いていくのか。営業領域とエンジニア領域を統括する中村国宏取締役と福田成志取締役に、今まさにジールが注力すべきこと、そして、今後の目指すべき姿について語ってもらった。
PROFILE

取締役
営業・デジタルイノベーション統括
中村国宏
30年以上にわたりSI業界で主にコンサルティング営業に従事し、SAPを含む大規模プロジェクトを手がける。外資系を含む4社を渡り歩いた末、2021年にジールへ入社。社長直下で1年ほど営業活動を展開したのち、営業部隊の統括を任されることに。

取締役
DXプラットフォーム事業統括
福田成志
2001年に中途入社でジールへ。未経験からスタートし、データ活用系案件の技術者としてキャリアを重ねる。その後、部門長を務め、2020年からDX人材の育成支援に取り組む。2023年10月からDXプラットフォーム領域を担当する取締役に就任。

THEME01
お客様の企業価値を最大化するため、
より深い関係を構築できる体制に刷新
―まずは営業部門とエンジニア部門として、お客様とどのように向き合っているかについて聞かせてください。
- 福田:
-
ジールはこれまでデータ活用に強みを持ってきました。お客様からもこの分野における期待値が高かったわけですが、最近は単なる技術提供だけでなく、課題に真摯に向き合い、お客様と伴走する形で関係性を深めていくケースが多くなっています。私たちもお客様が抱えている課題の抽出から提案、解決に至るまでを一貫して手がけることで、長期的な信頼関係を築くことを目指しています。
データ活用に対する課題をはっきり認識しているお客様は、むしろ少数派です。そのため、私たちが構想段階から入り込み、お客様が気付いていない課題を抽出し、そこに対してどういった時間軸でデータ活用の環境を整えていくのかを一緒に構想していくことが多いです。
- 中村:
- 営業の視点でも同じです。以前は案件ごとに営業をアサインしていましたが、2024年からアカウント営業型に切り替え、一人の営業が特定の顧客と深く関わる体制を整えました。私たちの使命は「お客様の企業価値とライフタイムバリューを最大化すること」であり、案件終了後もお客様との関係を維持して伴走を続けることで、お客様の企業価値の向上に寄与できるような体制を整えています。

THEME02
先端技術を用いたデータ活用と伴走型支援で、
企業が抱える課題を解決
―ジールが手がけるデータ利活用プロジェクトの流れや特徴について教えてください。
- 中村:
- まず構想策定フェーズで、お客様が抱える課題を明確化します。たとえば、複数の子会社を持つ企業が「データをどう統合し、活用すべきか」に悩んでいる場合、私たちがその方向性を示して提案します。最近ではこの段階の引き合いが増えており、特にクラウド移行や複雑なデータ環境の整理といったテーマが多いです。
- 福田:
- お客様自身も課題が漠然としていることが少なくありません。そこで私たちはコンサルティングの段階から入り込み、どういったデータ活用環境を構築すればよいかを、構想レベルで一緒に考えます。PoCフェーズでは、お客様が試したいと考えるツールや技術を評価するとともに、お客様要件にマッチする技術やサービスもあわせて検討し、それが実現可能かどうかを実証していきます。
- 中村:
- ジールは特定のベンダーに偏らない立場で提案を行い、製品やサービスの評価をサポートしています。その結果、お客様にとって最適な選択肢を導き出せるのが大きな特徴ですね。
- 福田:
- 開発フェーズでは、最新の技術を活用することで、現状の運用環境を改善します。クラウド移行が進む中、オンプレミス環境からクラウドへの移行をスムーズに行うための知見が必要になることが多いですが、ジールはこの領域の経験が豊富で、古いシステムから最新の基盤への移行を安全かつ効率的に実現できる点が強みになっています。
―ジールが提供する「人材育成サービス」についても詳しく聞かせてください。
- 福田:
- ジールの人材育成サービスは、単なるトレーニングの提供ではなく、プロジェクトそのものを通じた「伴走型」の育成支援が特徴です。たとえば、お客様にもプロジェクトに関わっていただきながら、技術移転を進める形で内製化を目指しています。これにより、実践的なスキルを身につけると同時に、自社でのデータ活用が可能になる体制を整備します。
- 中村:
- 日本企業は長らく外部ベンダーへの依存が強かったため、欧米に比べて内製化が遅れていました。しかし、最近ではDX推進の流れの中で、内製化への関心が高まっています。私たちはその流れに対応し、プロジェクトを通じてお客様の人材を育成し、自社内でDXを進められる仕組みを提供しています。
- 福田:
- データ活用の基盤が整った後、最終的に重要になるのは「人」です。データを適切に活用できる人材がいなければ、どれだけ優れた基盤を構築しても十分に活用することはできません。そのため、社員一人ひとりが自らの業務課題をデータで解決できるスキルを身につけることを目標とし、BIツールの操作トレーニングや、データ活用の考え方を学ぶためのプログラムを提供しています。
- 中村:
- 伴走支援の役割として、私たちが特に重視しているのは、基本をしっかりと定着させることです。お客様が最初の段階で誤ったデータ活用を進めてしまうと、その後のプロセス全体がうまく機能しなくなる可能性があります。私たちがその点を意識し、課題の定義から解決策の実現まで丁寧に伴走しています。
―「機械学習自動化サービス」についてはいかがでしょうか?
- 中村:
- このサービスでは、AIや機械学習を活用し、お客様が持つ膨大なデータから有益な知見を引き出します。たとえば、ある営業チームで「売れる営業」と「売れない営業」の違いをデータで分析し、そのノウハウを共有することで、組織全体の営業生産性を向上させるプロジェクトを実施しました。この取り組みでは、AIによるデータ解析を活用することで、効率的に「成功の型」を見つけ出すことができました。
- 福田:
- ほかにも、需要予測や画像認識による自動判定といった分野での活用が進んでいます。これらのプロジェクトは、属人的だった業務をシステム化し、組織全体で成果を共有できるようにするのが目的です。AIの導入には試行錯誤が伴いますが、私たちはそのプロセスに伴走し、実現可能な解決策を提供しています。
- 中村:
- 多くのAIベンダーは特定分野に特化していますが、ジールは構想策定から実装、運用まで一貫して支援できる体制が強みです。たとえば、Salesforceに特化したデータ分析会社は存在しますが、私たちはその前段階のデータプラットフォーム構築から一気通貫で支援します。この包括的なアプローチが、他社にはないジールの価値だと思います。
- 福田:
- ジールであれば、中立的な立場から最適な製品を提案できる点も大きいと思います。特定のツールや技術に縛られることがないため、結果的にお客様にとって本当に適したソリューションを提供できる。これも他にはないジールの強みです。

THEME03
「眠れるデータをアンロック」、
映画『アイアンマン2』のような世界を実現する
―最後に、ジールの特徴と今後のあるべき姿について聞かせてください。
- 中村:
- ジールの特徴を一言で言えば、伴走型の支援を提供する会社だということですね。
- 福田:
- お客様の課題に深く入り込み、単なる技術提供にとどまらず、データ活用やDXの各フェーズを一気通貫でサポートしていく。その中で、営業と技術のチームが協力し、構想策定から運用保守まで、継続的に価値を提供していけるのがジールだと思います。
- 中村:
- ジールの使命は「お客様の企業価値の最大化を実現すること」です。今後はアバントグループの一員として、グループ全体のシナジーを発揮し、お客様に総合的な価値を提供することを目指します。現在、グループ内の役割が明確化されつつあり、経営管理やデータ基盤構築といった各社の強みを連携させる取り組みが進んでいます。このシナジーを最大化することが、私たちの重要な挑戦の一つだと思っています。
- 福田:
- 私たちの組織では「眠れるデータをアンロック」というテーマを掲げています。多くの企業が膨大なデータを保有していながら、それを十分に活用できていない現状があります。私たちはこれからも、こうしたデータを使える形にし、全社的に活用できるよう支援していきたいです。
- 中村:
- 最終的には、データが瞬時に可視化され、AIのサポートを得て意思決定がスムーズに行える未来を実現したいですね。主人公が人工知能を駆使しながら活躍する映画『アイアンマン2』のように、データが経営者や現場の意思決定を支える。そんな環境を提供することが目標です。
